世界最大級のモネ・コレクションを誇るパリのマルモッタン・モネ美術館より約50点が来日「モネ 睡蓮のとき」

クロード・モネ《睡蓮》
1916-1919年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ 
© musée Marmottan Monet

2024年10月より東京・上野公園の国立西洋美術館をはじまりとして、京都市京セラ美術館、豊田市美術館において「モネ 睡蓮のとき」を開催する。

本展は、印象派を代表する画家・クロード・モネ晩年の制作に焦点をあてたもの。世界最大級のモネ・コレクションを誇るパリのマルモッタン・モネ美術館より、日本初公開作品を含む、厳選されたおよそ50点が来日する。さらに、日本国内に所蔵される作品も加え、“印象派を超えた”モネの芸術の豊かな展開をたどる。

モネが40歳を過ぎて移り住んだ、ジヴェルニーの終の棲家。そこで生み出されたのは、自らが丹精込めて造った庭を描いた作品の数々だった。後年になるにつれ、彼の芸術はより抽象的かつ内的なイメージへと変容してゆく。

最たる創造の源となったのが、ジヴェルニーの自邸の庭に造られた睡蓮の池に、周囲の木々や空、光が一体となって映し出されるその水面だ。そして、この主題を描いた巨大なカンヴァスによって部屋の壁面を覆いつくす“大装飾画”の構想が、最期のときにいたるまでモネの心を占めることになる。

本展の中心となるのは、この試行錯誤の過程で生み出された、大画面の〈睡蓮〉の数々だ。モネ晩年の芸術の極致を紹介し、日本では過去最大規模の〈睡蓮〉が集う貴重な機会となる。

展覧会の開幕に先立ち、記者発表会が6月12日に開催された。本展アンバサダーに就任した、俳優・石田ゆり子が登場。モネとの出会いは、19歳の秋にはじめて訪れたパリ・オランジュリー美術館の「睡蓮の間」だったそう。モネが心から大好きで、アンバサダー就任は夢のように嬉しく、素敵なご褒美のようだと喜びを語った。

アーティスト「lily」としても活動する石田は、大橋トリオの楽曲プロデュースによる書き下ろしの展覧会テーマソング「私のモネ」を歌い、作詞も手がけた。さらに、展覧会会場で貸し出しされる音声ガイドの担当ほか、プロデュースするコラボグッズも登場する予定だ。

石田ゆり子

見どころ

1.     モネ最後の挑戦 —— “光の画家" 集大成となる、晩年の制作に焦点をあてたモネ展

2.     マルモッタン・モネ美術館より、日本初公開作品7点を含む、厳選されたおよそ50点が来日。日本国内に所蔵される名画も加えた、国内外のモネの名作が一堂に集結

3.     モネ晩年の最重要テーマ、「睡蓮」の作品20点以上が展示

4.     2メートルを超える大画面の〈睡蓮〉に囲まれて、モネの世界に浸る没入体験

 

第1章

セーヌ河から睡蓮の池へ

クロード・モネ《ポール=ヴィレのセーヌ河、ばら色の効果》
1894年 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ 
© musée Marmottan Monet

クロード・モネ《ジヴェルニー近くのセーヌ河支流、日の出》
1897年 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ
(エフリュシ・ド・ロチルド邸、サン=ジャン=キャップ=フェラより寄託) 
© musée Marmottan Monet / Studio Christian Baraja SLB

クロード・モネ《睡蓮、夕暮れの効果》
1897年 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ 
© musée Marmottan Monet / Studio Christian Baraja SLB

クロード・モネ《睡蓮》
1907年 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ 
© musée Marmottan Monet

第2章

水と花々の装飾

クロード・モネ《キスゲ》
1914-1917年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ 
© musée Marmottan Monet

クロード・モネ《藤》1919-1920年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ 
(上)© musée Marmottan Monet
(下)© musée Marmottan Monet / Studio Christian Baraja SLB

クロード・モネ《アガパンサス》
1914-1917年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ 
© musée Marmottan Monet

クロード・モネ《睡蓮》
1914-1917年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ 
© musée Marmottan Monet

第3章

大装飾画への道

クロード・モネ《睡蓮》
1916-1919年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ 
© musée Marmottan Monet

クロード・モネ《睡蓮》
1916-1919年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ 
© musée Marmottan Monet

クロード・モネ《睡蓮》
1914-1917年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ 
© musée Marmottan Monet

クロード・モネ《睡蓮の池》
1917-1919年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ 
© musée Marmottan Monet

クロード・モネ《睡蓮、柳の反映》
1916-1919年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ 
© musée Marmottan Monet

第4章

交響する色彩

クロード・モネ《睡蓮の池》
1918-1919年 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ 
© musée Marmottan Monet

クロード・モネ《枝垂れ柳》
1918-1919年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ 
© musée Marmottan Monet

クロード・モネ《日本の橋》
1918年 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ 
© musée Marmottan Monet

クロード・モネ《日本の橋》
1918-1924年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ 
© musée Marmottan Monet

クロード・モネ《ばらの庭から見た家》
1922-1924年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ 
© musée Marmottan Monet

エピローグ

さかさまの世界

クロード・モネ《枝垂れ柳と睡蓮の池》
1916-1919年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ 
© musée Marmottan Monet

クロード・モネ《睡蓮》
1916-1919年頃 油彩/カンヴァス マルモッタン・モネ美術館、パリ 
© musée Marmottan Monet / Studio Christian Baraja SLB

画家を最期まで励まし続け、モネの死後1927年の大装飾画の実現に導いた立役者であるクレマンソーは、木々や雲や花々が一体となってたゆたう睡蓮の池の水面に、森羅万象が凝縮された「さかさまの世界」を見出した。モネの〈睡蓮〉は、画家が生きた苦難の時代から今日にいたるまで、人々が永遠の世界へと想いを馳せるよすがともなった。

<Information>

Le dernier Monet : Paysages d'eau
モネ 睡蓮のとき

会期:2024年10月5日~2025年2月11日
会場:国立西洋美術館 [東京・上野公園]

公式サイト
https://www.ntv.co.jp/monet2024/

チケット情報ほか巡回展の情報など、展覧会公式サイトまで

 

text by STARRing MAGAZINE 編集部

 
 
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