『オズの魔法使い』原作小説の冒険を辿る、ランチ&ディナー

東京・竹芝にあるホテル『メズム東京、オートグラフ コレクション』は、出版から 120 年以上経った今もなお世界中の人々に愛され続ける『The Wonderful Wizard of Oz(邦題:オズの魔法使い)』の世界観を表現したランチ&ディナープログラムを、16階のフレンチレストラン「シェフズ・シアター(Chef’s Theatre)」にて、2022年4月25日(月)〜9月30日(金) の期間限定で提供する。

物語の前半をランチで、後半をディナーで再現し、ランチとディナーを合わせるとひとつの物語が完成する構成だ。

ランチプログラムでは、大きな竜巻によってドロシーと子犬のトトが不思議の国オズへと飛ばされる冒険の始まりから、旅の道中で出会った愉快な仲間たちとともにエメラルドの都へたどり着き、物語が大きく展開していく場面までを描く。コースは、アミューズブッシュ、前菜、メインが選べる肉または魚料理、デザートの4品を用意する。ランチ、ディナープログラムともにペアリングワインもしくはノンアルコールのモクテルをオーダーすることもできる。

≪アミューズブッシュ: The Cyclone -竜巻-≫

≪デザート: The Emerald City of Oz -すばらしいエメラルドの都-≫

≪アミューズブッシュ: The Cyclone -竜巻-≫ トラウトサーモンをヨーグルトのエスプーマで包み込んでハーブソースで仕上げ、竜巻を模した装飾で表している。

≪デザート: The Emerald City of Oz -すばらしいエメラルドの都-≫ ふわふわと軽い青リンゴムース、サクサクとしたピスタチオのサブレ、ハーブのリキュールであるシャルトリューズを使用したムースリーヌの層でさまざまな食感で愉しませ、飴細工やルッコラ、キウイで華やかに装飾し、エメラルドが散りばめられた都を表現している。


『The Wonderful Wizard of Oz(オズの魔法使い)』Dinner Pairing -5 Glasses- 
ディナーとペアリングを、STARRing MAGAZINE編集部が体験!

ディナーは、西の悪い魔女を探しに行く場面から、最後に無事ドロシーが我が家へたどり着くまでを表している。アミューズから始まり、前菜、魚料理、肉料理、最後のデザートまでの5品のプログラムだ。今回は、ワインのペアリングをオーダー。料理とともに、5杯のワインが『オズの魔法使い』のストーリーを伝えてくれる。

“シェフの劇場”という名の「シェフズ・シアター」で、コースを演目(プログラム)に見立てて一皿一皿は舞台のシーンだ。アミューズブッシュとともに、開幕する。『オズの魔法使い』をテーマにセレクトした音楽を流して耳も愉しませ、ストーリーの世界観を作り上げている。

Scene1

≪アミューズブッシュ: The Search for the Wicked Witch -悪い魔女をさがしに-≫

PROYECTO CU4TRO CAVA Premium Reserva
プロジェクト・クワトロ・カヴァ プレミアム・レゼルヴァ

幕開きは、ドロシーたちに放つ悪い手下たちをお皿に表したアミューズ。3回だけどんな命令でも聞く“空を飛ぶ猿”を呼び出せる「黄金の帽子」を被った西の魔女に呪文をかけられ、ドロシーたちが捕まってしまう場面。

旬の食材のフリットに翼が生えている飾りをした黒い「カラス」、蟹のリエットにパリパリとしたカダイフという小麦粉を纏わせて可愛らしい耳や尻尾がついている「狼」、濃厚なフォアグラをアーモンドのプラリネ風味に仕上げて蜂の巣に見えるようにエディブルフラワーで飾りをした「蜂」の大群、フロマージュブランのチーズでドライフルーツやナッツを包み悪い魔女が被っている「黄金の帽子」を、それぞれ再現している。

1杯目のペアリングは、スペインのCAVA(カヴァ)。悪い魔女と手下を表した、「狼」や漆黒の「カラス」を想像させるダークな色のボトル。長期熟成でシャンパンを思わせるきめ細かい泡と、凛とした爽やかな味わいが開幕にぴったりのスパークリングワインだ。

Scene2
≪前菜: The Rescue -ドロシー仲間をすくう-≫

Sherwood Estate Stratum Pinot Gris
シャーウッド・エステート ストラタム ピノ・グリ

 前菜は、オマール海老。西の魔女に捕われたドロシーが怒ってかけたバケツの水を、色鮮やかな黄色いトマトのソースで表現している。非常になめらかなカリフラワーのブラマンジェの上に、「魔女のシルエット」をイカ墨のパウダーで周りを囲んで描いている。色彩、デザインともに目を引くアーティスティックな一皿だ。

ボトルのエチケットが魔女を連想させる絵で、場面にぴったりな、ピノ・グリのワインが2杯目。ライチ、桃などのフルーティで芳潤なアロマが、料理をさらに引き立てる。

Scene3

≪魚料理: The Magic Art of the Great Humbug -偉大なぺてん師の魔術-≫

Joel Gott California Sauvignon Blanc 
ジョエル・ゴット カリフォルニア ソーヴィニヨン・ブラン

魚料理は、オズの魔法使いがドロシーの仲間たちに送る、それぞれへの贈り物を表現している。チーズとバターの旨味が詰まった麦のリゾットは「かかし」にあげたブラン(小麦の表皮)の脳みそ、「ブリキのきこり」へのハート(心)は野菜のピューレをハート型に。最後に、「ライオン」に渡した緑色の瓶に入った勇気が出る飲み物は、緑の瓶に入れたレモンオイルをテーブルで魚の上にかけることで表現している。

ペアリングは、カリフォルニアワインのソーヴィニヨン・ブラン。ボトルは、レモンオイルと同じくやはり「ライオン」への贈り物と同じ緑色がチョイスされている。この日の魚料理は、皮にパリッと焼き目をつけたアイナメをポワレで用意。白身魚にすっきりとしたワインの味わいが合う。

Scene4

≪肉料理: How the Balloon Was Launched -気球はどうやってとんだか-≫

Ch. Lalande Borie
シャトー・ラランド・ボリー

カンザスの家に帰るための気球に、ドロシーが乗れなかったシーンを肉料理で再現。気球を模したフリットの中身にはラクレットチーズが隠れている。パスタフリットが気球の下で、レンズ豆のコロッケが乗る部分になっている。白い野菜のピューレが、空の雲を表現している。ダイナミックな仔羊と、可愛らしい気球の取り合わせが見た目にも愉しい、想像力豊かな一皿だ。

合わせたカベルネ・ソーヴィニヨンの赤ワインは仔羊と合い、程よいタンニンの渋みと柔らかな酸味、カシスやプラムなどを思わせる香りや風味、スパイシーさとのバランスが取れたワインだ。

Scene5

≪デザート: Home Again-なつかしいわが家へ-≫

BOTTEGA White Gold  
ボッテガ ホワイトゴールド

フィナーレを飾るデザートは、これまでの情景を一皿にイメージしたもの。抹茶の薄焼きのシガレットクッキーで、森の木を表現している。木の幹のなかには、コーヒーアイスやパッションフルーツ、マンゴーのチーズクリーム、抹茶のガナッシュ、フレッシュマンゴー、抹茶スポンジの層が隠れている。

ドロシーの銀の靴を表したシルバーのスプーンには、レモンクリーム、白ブドウのジュレ、エディブルフラワーが乗っている。下に敷いてあるのは抹茶のクランブルで、斜めに描かれているフルーツのエキゾチックソースがエメラルドの都に続くレンガの道を表している。たどってきた冒険の道のりを思わせる、最後の一品にふさわしい内容だ。

ペアリングは、シルバーのボトルに入ったイタリアのスパークリングワイン。かかとを3回鳴らすと願いが叶う、ドロシーの銀の靴をイメージしている。

プログラムを終えて

前半のランチをChapter1、後半のディナーをChapter2として、『オズの魔法使い』の原作を描いたファンタジーの世界。想像力豊かなアイデアをしっかりと美味しいフレンチに仕立てた独創的な内容で、ホテルのクリエイティブディレクター、レストランの総料理長とマスターキュリナリーアーティストの視点を取り入れて具現化。感性を刺激してくれる料理とユニークなペアリングは、ここでしか体験できないもの。ぜひ、“上演中”の限定期間に訪れてみては?

※食材は入荷の状況や季節によって変わる場合もある

シェフズ・シアター(Chef’s Theatre)とは?

シェフズ・シアターは、“シェフの劇場”という名の通り、まるで舞台を観劇するようにストーリーとともに紡がれるフレンチを愉しめる。日中は浜離宮恩賜庭園の緑、夜はウォーターフロントの夜景を見ながら、五感で味わう美食体験を堪能できる。

<Information>

『The Wonderful Wizard of Oz(邦題:オズの魔法使い)』ランチ&ディナープログラム

期間:2022年4月25日(月)~2022年9月30日(金)
時間:ランチ 11:30~15:00 (L.O. 14:00) / ディナー 17:00~23:00 (L.O. 22:00)
場所:16 階レストラン「シェフズ・シアター(Chef’s Theatre)」

詳細、最新の営業時間、予約はこちら
■メズム東京、オートグラフ コレクション「シェフズ・シアター」

予約はこちら
https://www.mesm.jp/restaurant/chefs_theatre.html
電話:03-5777-1111(代表)
メール:reservation@mesm.jp 

 

text by 鈴木陽子(Yoko Suzuki)
CS放送舞台専門局、YSL BEAUTY、カルチャー系雑誌ラグジュアリーメディアのマネージングエディターを経て、エンタテインメント・ザファースト代表・STARRing MAGAZINE編集長。25ヶ国70都市以上を取材、アーティスト100人以上にインタビュー。

 
 
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