“魔法をかけるように魅了する”「メズム東京」で、想像力が解き放たれる時間

「メズム」の語源は、魔法をかけるように魅了するという意味の英単語、mesmerize(メズマライズ)。ここ「メズム東京、オートグラフ コレクション」は、“TOKYO WAVES”をコンセプトに、絶えず変化する東京の波長や躍動感を感じられるようなさまざまなインスピレーションを得て、想像力が覚醒される場所だ。

訪れたゲストが、滞在中の五感が魅了される体験を通して、新しい価値観や忘れていた想いに出会う。その魔法のような時間は、人生に彩りを添えるような驚きと発見がある。


絵画をモチーフにしたミクソロジーカクテル

ホテル内には、ゲストがさまざまにインスピレーションを得る場所がある。16階のバー&ラウンジ「Whisk(ウィスク)」では、「芸術家のアトリエ」をコンセプトに、絵画をモチーフにしたカクテルやアフタヌーンティーを提供している。ラウンジでは、16階からの夜景と共にアーティストを招いて多彩な音楽やアートなどのライブパフォーマンス「SHOWCASE(ショーケース)」を開催。バーからもその様子が愉しめる。

パレットに見立てたメニュー

16階 バー&ラウンジ Whisk(ウィスク)

mesm SHOWCASE

世界の名画をモチーフにしたカクテルの数々は、メニューを見ていても愉しい。風神雷神図は「Fu Rai-風雷-」に、ミレー作「落穂拾い」は「Harvest -ハーベスト-」に、マグリットの絵は「Man-マン-」に、ゴッホの代表作「星月夜」は夜空を幻想的に表現した「Moon Night -ムーンナイト-」に、キース・ヘリング作「Radiant Baby(光輝く赤ん坊)」にインスピレーションを得て哺乳瓶の中に光る氷が入っているノンアルコールの「Baby Keith-ベイビーキース-」、シャボン玉のゼリーが見た目にもユニークな「Suiren-睡蓮-」、船に乗って出てくる「Hokusai-北斎-」など、いずれもここでしか味わうことのできないアートカクテルだ。

Fu Rai-風雷-
Harvest -ハーベスト-
Man-マン-
Moon Night -ムーンナイト-
Baby Keith-ベイビーキース-
Suiren-睡蓮-
Hokusai-北斎-
Whisk(ウィスク)のメニュー、 Mixology Menu

 

Venus-ヴィーナス-

ボッティチェリ作「ヴィーナスの誕生」をモチーフにしたカクテルは、人気がある。ヴィーナスが「愛と美と豊穣の女神」であるため、花のリキュール、大地の恵みを表す大豆のエキス、真珠のパウダーが入った「アフロディーテ」という女神の名前を冠したリキュールを使用している。箱を開けるとスモークが焚かれ、ヴィーナスが誕生する瞬間を表現する。

 

Shout -シャウト-

ムンク作「叫び」をイメージし、絵のタッチをグラデーションで表現。有名なモチーフを飴細工で表している。ペニシリン(抗生物質)という名のカクテルレシピ、高麗人参系のエナジードリンクをベースに含み、病弱だった画家ムンクを元気づける意味もある。泡状のレモン風味のエスプーマ、ウォッカ、ジンジャーコーディアル、ラズベリーコーラシロップが入っている、刺激が強いカクテルだ。


ゲスト発信の滞在体験、答え合わせが面白い

クリエイティブディレクターの小泉堅太郎さんは、ロンドンに留学した経験を持ち、前職では主にビューティー・ファッション業界における外資系企業のブランディング、プロモーション、PR活動に従事し、現在は、「メズム東京」のブランディングを統括しアメニティやアートワークといった各種コラテラル(ブランドの世界観をつくり上げる制作物)のデザイン・監修をしている。ホテルのブランドフィロソフィーにも使われている、“五感”の意味について伺った。

「メズム東京、オートグラフ コレクション」クリエイティブディレクター 小泉堅太郎

「表現には、答えをはっきりと見せる手法もありますし、ファッションの世界では“余白”を残す手法が多くありました。見る側が何を感じるか、というアートにも通じる考え方です。これまでの経験を生かした『メズム東京』のブランディングにおいては、きちんと情報を伝えるホテルデザインとしての側面と、ゲストがどう感じるか、というアート性の両面の境界線を探るのが非常に面白いと感じています。

物事の発信源がゲストであるお客様自身の感受性から始まる、それぞれの感じ方や体験にきちんと重きを置きたいと思っています。その為に、もっとゲストのインスピレーションが湧くには、自分自身が知りたいから、という感情を、どのように刺激すれば呼び起こせるのだろう、と考えながら一つひとつ提供しています。例えば、通常の客室に置かれている本型のアメニティボックスはなぜこのデザインなのだろう、この絵は一体何だろう、使われている香りは、など、すぐにはすべてを見せないような表現になっています。

もちろん一つひとつには全部意味があるので、タレント(ホテルスタッフ)に聞いたら、答えられるようになっています。しかし、それを最初から言わず、まずは攻略本なしに愉しんで、答え合わせをしたら、自分はこう思った、というのを感じて頂きたいと思っています。そうすれば、従来とは違う新しい愉しみを提供できるのでは、という願いを含めて、ホテルのコンセプトに“五感を魅了する”という言葉を使っています」

コンセプトムービーでは、物語の主人公となる華道アーティストの女性ゲストが、メズム東京での滞在を通し「覚醒」していく様子を描いている

朝食メニューの「メズム・ブレックファスト」は五感ドリンク(ミモザ・ビネガードリンク・リラックスウォーター・ヤクルト・日替りスムージー)に始まり、4日間かけてつくるダブルコンソメスープや、エシレバターと平飼い有精卵を贅沢に使った特製オムレツなど、身体をゆっくりと目覚めさせてくれる内容だ。

すべての部屋には、デジタルピアノとトランクが置いてあり、電話は黒電話のボタン式で中央のボタンを押すとあらゆる要望・問合せの窓口となる「スターサービス」に繋がる。無料のミニバーには、ハンドドリップで淹れる猿田彦珈琲のオリジナルブレンドと、京都の老舗店の抹茶と茶器・茶筅セットが置かれている。

自身のために時間をかけて、ハンドドリップや抹茶を淹れるひとときが、贅沢な時間。タブレットでピアノの弾き方や美味しいハンドドリップの方法、抹茶の点て方が確認でき、空調や照明の調節などのルームコントロールが一括して可能。感覚的に見たまま操作できるVRコントロールも備えている。 

日中は浜離宮恩賜庭園の緑と水辺のコントラスト、夜は湾岸のきらめく夜景を一望して愉しめる。「TOKYO WAVES」をコンセプトに、波のように絶えず進化する東京の「今」を表現し、“五感を魅了”するインスピレーションが随所にちりばめられたホテルだ。


<Information>

■メズム東京、オートグラフ コレクション 
https://www.mesm.jp/
東京都港区海岸1-10-30 

予約はこちら
電話:03-5777-1111(代表) 
メール:reservation@mesm.jp

 

photo by 竹崎恵子(Keiko Takezaki)
旅&ライフスタイルをメインに、雑誌、PR誌等幅広い分野で活動中。海外は25ヵ国以上を撮影。

text by 鈴木陽子(Yoko Suzuki)
CS放送舞台専門局、YSL BEAUTY、カルチャー系雑誌ラグジュアリーメディアのマネージングエディターを経て、エンタテインメント・ザファースト代表・STARRing MAGAZINE編集長。25ヶ国70都市以上を取材、アーティスト100人以上にインタビュー。

 
 
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