坂本龍一がプレステージ シャンパーニュメゾン クリュッグのために作曲したシャンパーニュの組曲「Suite for Krug in 2008」の感性と情熱を聴く

プレステージ シャンパーニュメゾン クリュッグの音楽プロジェクト「KRUG ECHOES(クリュッグエコー)」として、音楽家の故・坂本龍一がクリュッグのために組曲「Suite for Krug in 2008」を作曲したことをご存知だろうか。完成した楽曲は、昨年9月より現在も公開されている。

メゾンクリュッグは、味覚の対する音の影響に気づき、フードペアリングのように音楽とのペアリングを長年試みてきた。その音楽プロジェクト「KRUG ECHOES」“ミュージックペアリング”を通じて、シャンパーニュの魅力を新たに発見する感動や歓びを伝え続けている。

クリュッグ ラヴァーでもあった坂本龍一氏とメゾンクリュッグの最初の出会いは2019年の末。メゾンクリュッグは、50年以上音楽と芸術の世界で活躍し、世界的に高い評価を受けている音楽活動に加えて文化や社会にも貢献してきた坂本氏に、「KRUG ECHOES」の楽曲を依頼した。

完成した3楽章からなる組曲「Suite for Krug in 2008」にインスピレーションを与えたのは、シャンパーニュ地方の類まれな年2008年に生まれた3種のシャンパーニュだった。

2008年は、シャンパーニュ地方にとって歴史に残る年だった。過去10年間で最も涼しい年となった穏やかな気候により、ブドウはストレスにさらされずゆっくりと着実に成熟し、収穫の日が訪れた時には申し分のない素晴らしいブドウになっていた。クリュッグ セラーマスター(最高醸造責任者)であるジュリー・カヴィルがまるでオーケストラの指揮者のように最高のブドウを"オーディション"し、信念と情熱、サヴォアフェール(匠の技)によって3種の特別なシャンパーニュが生み出された。

創作の旅
唯一無二の組曲

クリュッグのシャンパーニュは、自然音をサウンドスケープとして取り入れることでも知られている坂本氏に、インスピレーションを与えた。彼は「クリュッグ クロ・デュ・メニル 2008」「クリュッグ 2008」「クリュッグ グランド・キュヴェ 164 エディション」という3種のシャンパーニュと出会い、18ヶ月の間それら3種のキュヴェを味わいながら、クリュッグのセラーマスターであるジュリー・カヴィルとお互いのビジョン、テクニック、感覚を共有した。

坂本自身が信頼するチームをフランスに送り、ブドウ畑から貯蔵室に至るまで、シャンパーニュ製法、醸造過程で生まれるクリュッグの“音”を録音した。そして、各楽章が1つのシャンパンをテーマにし、それらを味わうときに得た感覚を音楽で表す「組曲」として構成した。クリュッグが創造したシャンパーニュを、音楽に“翻訳”した作品だ。

「クリュッグ クロ・デュ・メニル 2008」
第1楽章はソロの響きで、「クリュッグ クロ・デュ・メニル 2008」のピュアで精巧な味わいをミニマルな反復に表現

「クリュッグ 2008」
続く第2楽章は、小編成のアンサンブルが2008年の物語を繰り広げる。時を超えた美しさと称された「クリュッグ 2008」が表現するエレガンスと力強い深みを奏でる

「クリュッグ グランド・キュヴェ 164エディション」
最後の第3楽章では、「クリュッグ グランド・キュヴェ 164エディション」らしく、雄大なフルオーケストラの旋律を奏でる

坂本氏によるクリュッグのために作曲された組曲「Suite for Krug in 2008」を、公式サイトで視聴することができる。

楽曲を完成披露した2022年にブルックリン美術館でライブ収録された、感覚に訴えかける音楽体験「Seeing Sound, Hearing Krug ~音を視る、クリュッグを聴く~」の映像だ。

「音楽は新しい感覚を呼び起こす世界共通語である」という信念を持って、メゾンクリュッグが坂本龍一氏と協働した、ユニークなミュージックペアリング体験の様子を見ることができる。

トライアングルの煌めく音色がシャンパーニュの泡を思わせ、クリュッグのシャンパーニュが楽章ごとに会場にサーブされる。音楽が次第に高鳴り、映画を観たような高揚感に包まれて拍手が起きる。

インスピレーションとなったクリュッグ シャンパーニュと書き下ろされた音楽を生んだ情熱に想いを馳せ、耳を傾けてはいかがだろう。

 

音楽をめぐる旅
坂本龍一氏を偲んで 1952 — 2023年

クリュッグ公式ウェブサイト内にて「Suite for Krug in 2008」を視聴
https://www.krug.com/jp/krug-x-ryuichi-sakamoto

 

text by 鈴木陽子(Yoko Suzuki)
CS放送舞台専門局、YSL BEAUTY、カルチャー系雑誌ラグジュアリーメディアのマネージングエディターを経て、エンタテインメント・ザファースト代表・STARRing MAGAZINE編集長。25ヶ国70都市以上を取材、アーティスト100人以上にインタビュー。

 
 
Previous
Previous

ルイナール メゾンセラー「クレイエル」に触れて想像した森羅万象をアートで表現! 『KYOTOGRAPHIE 2023』にて初公開

Next
Next

「帝国ホテル 東京」で、大使館招聘シェフ監修の「インドネシアフェア」4月開催中!