【稽古場写真レポート】日本初演を前に、ブロードウェイミュージカル『カム フロム アウェイ』の稽古場初披露!

フォトセッション

最後はニューファンドランド島の儀式から、かけ声の締め!(記事参照)

 

ブロードウェイミュージカル『カム フロム アウェイ』が、2月13日に稽古場を初公開! 観客の心にパワーを届ける作品をキャストとスタッフ一丸となって、日々稽古に励んでいるなか、稽古場から作品のシーンを初披露する場となった。

本作は9.11の裏で起きた心温まる奇跡の実話を基に、12人の出演者のみで100人近くの役を次々に演じ、ドラマが交錯。人と人との繋がり、全てを越えて助け合う人間の素晴らしさを描いている。

注目は、日本屈指の実力者が集まったキャスト12名の俳優陣が、全員で織りなすアンサンブル芝居。公演中は、稽古場とまた違う表情や、何役も出演者が演じる芝居のやりとりが舞台の上のあらゆる場所で見られるだろう。すでに役者同士のコミュニケーションが感じられる開幕前の貴重なパフォーマンスを、臨場感溢れる稽古場写真と、演出補・ダニエル・ゴールドスタインによる作品メッセージや場面紹介と共にレポートする。

稽古出演キャスト(五十音順)
安蘭けい、石川禅、浦井健治、加藤和樹、咲妃みゆ、シルビア・グラブ、田代万里生、橋本さとし、濱田めぐみ、森 公美子、柚希礼音、吉原光夫

スタンバイキャスト(五十音順)
上條駿、栗山絵美、湊陽奈、安福毅

演出補:ダニエル・ゴールドスタイン
振付補:ジェーン・バンティング


〈写真ギャラリー〉歌唱含む、2曲のシーンを披露

 

♪「Welcome to The Rock ザ・ロックへようこそ」

ダニエル・ゴールドスタイン
「日本の素晴らしいキャストの方々とご一緒できることが、とても嬉しいです。この作品は、実際にあった話がベースとなり、登場人物は実在の人間で僕自身も全員と会ったことがあります。作家が実際にニューファンドランド島に行って取材をして仲良くなり、家に泊まらせて頂き、様々な話を教えてもらいました。困難な時に、人に優しく寛大に接することを語る物語です。私たちは、この作品が大好きです。

スーパースターの皆さんとアンサンブル作品でご一緒できるのは、作品の素晴らしさにあると思います。役者は様々な役を演じ、お客様にストーリーを語ります。もし、役者と目が合ったら、実際にお客様と繋がって物語を語りたい、と私たちが伝えているので、びっくりしないでください。ニューファンドランド島は、カナダの小さな島で、過去には大西洋で給油のために停まる空港がガンダーにあることで有名でした。とても小さな町に、とても大きな空港がある。現在は、給油で停まることはないのですが、2001年9月11日、目的地を失った飛行機の着陸地になりました。

物語が始まる、ミュージカルのオープニングナンバーが♪『Welcome to The Rock』です。

舞台上にミュージシャンも登場し、役者とも交流します。日本では見たことのないミュージカルになるでしょう」

*ニューファンドランド島ガンダーは、岩々に囲まれているとても美しい小さな町

演出補:ダニエル・ゴールドスタイン

振付補:ジェーン・バンティング

シーンが終わったあと、稽古場でノート(note)と呼ばれる、返しが公開された

テンポ感のある曲で言葉と振りを合わせる、表現を踏まえて動きを揃えるなど、アンサンブルの全員が参加して細部も練習しながら本番に向けてブラッシュアップ!

♪「Screech In ラム酒を飲め」

ダニエル・ゴールドスタイン「Screech(スクリーチ)というのは、ニューファンドランド島のラム酒。甘くて、度数の高いお酒です。島では、地元の人間ではない人々を『カム フロム アウェイ』(遠くからきた人たち)と呼びます。この島の名誉市民になりたい人には、スクリーチ・インという伝統儀式を行います。

地元の人たちがバーに皆んなで集まって酔っ払って、スクリーチ・インをやろう、ということになります。橋本さんが演じる町長が、主に進行します。かなりふざけたセレモニーで、缶詰のヘンテコなソーセージを食べなければいけなかったり、魚とキスしなければいけなかったり。そして、スクリーチも飲まなければいけません。僕も証書をもらって名誉市民になりましたが、セレモニーというより、パーティだという風に思ってください。

*旅行者は、島の生活を支え続けてきた魚のタラとのキスを経て、仲間に迎えられる。遠くからの人たちが心身ともに疲弊している中、島の人たちが彼らをバーに集め、歌ったり、踊ったりしながら楽しいひと時を過ごすシーン

ダイアン(安蘭けい)とニック(石川禅)は、テキサス出身の女性とロンドン出身の男性。この場面の頃には、ちょっといい関係になりつつある、という雰囲気です。

ケビンT(浦井健治)とケビンJ(田代万里生)は、ロサンゼルスからきたカップル。ケビンTはこの土地に対して温かく感じる良い気持ちを持っていて、ケビンJは現在の事態に対して恐れおののいており、居心地があまりよくないと思っています。彼らは、この島に対して全く違う思いを持っているのです」

 

*キャストコメント(一部)

安蘭けい「笑いの絶えない稽古場。これから、どんどん良くなる!」

石川禅「歴史に残るミュージカル。演じる側もそう思っている」

浦井健治「皆んなで舞台を作っている感覚がお客様に伝われば嬉しい」

加藤和樹「このメンバーで再演が難しいキャストが集まっている。力を合わせないとできない作品」

咲妃みゆ「ようやくスタートラインの気持ち。稽古を重ねるほど作品への愛や理解が深まる」

シルビア・グラブ「合宿みたいな稽古場。恥をかき、笑い合って楽しみながら作っている」

田代万里生「4週間前に通し稽古をしたのは、あまりないこと。さらにブラッシュアップをして、万全の体制でお客様に伝えられる」

橋本さとし「見られる、って凄い。気合が入った。役者の本能で、歌えなかったのが全部歌えました!(拍手・笑)ここに出てくるのは、一生懸命な人物ばかり。僕も愛しい仲間と稽古を満喫しながら、最高の作品を届けたい」

濱田めぐみ「いつも年長なのですが、今回は中堅どころ。和気あいあいとした稽古場で、この高いレベルのエネルギーのまま初日を迎えたい」

森公美子「このメンバーが揃って出来るのは今回だけかも…と膝をしばいて、椅子の番号を覚えて頑張っている。ケルト音楽に乗った振付の踊りも見ごたえがある」

柚希礼音「この作品は、人と人や、カンパニーで支え合わないとできない作りになっている。絆が生まれて、それをお客様にお届けできると思う」

吉原光夫「辛い時こそ人に優しくできるかどうか。世の中も辛い状況だが、愛をもって精進して頑張りたい」

 

ダニエル・ゴールドスタイン
「(開幕の)日生劇場は、美しい劇場です。キャストの皆さんは、人間性に優れて謙虚、正確に頑張っていただいています。この作品が日本で上演できることを、本当に幸せに思います。ディテール(細部)まで濃い作品で、キャストが脇で演じている芝居など、何度観ても色々な発見があります。そして、今回のカンパニーだからこそ出来る芝居があると思っています。稽古はまだ続きますが、劇場でお会いできるのを本当に楽しみにしております。ニューファンドランド島でいかに『カム フロム アウェイ』(遠くからきた人たち)と交流したか、その物語をお届けします」

最後は、町長役の橋本さとしが代表して締めをすることに

「Screech!」(ラム酒を飲め)のかけ声で、笑顔と共に稽古場披露が終了!

撮影:STARRing MAGAZINE ©︎山崎あゆみ


世界に希望を与えた真実のものがたり

9.11 世界が止まったあの日
カナダの小さな町に不時着した38機の飛行機
行き場を失った人々が過ごした5日間
人種、国、宗教、言語、すべてを越えて繋がった心は
私たちの、世界の光となる

<Information>

ブロードウェイミュージカル『カム フロム アウェイ』

【東京公演】
期間:2024年3月7日(木)~29日(金)
会場:日生劇場
*大阪、愛知、福岡、熊本、ほかツアー公演あり

公式ホームページ
https://horipro-stage.jp/stage/comefromaway2024/

脚本・音楽・歌詞:アイリーン・サンコフ/デイヴィット・ヘイン
演出:クリストファー・アシュリー
ミュージカルステージング:ケリー・ディヴァイン

翻訳:常田景子
訳詞:高橋亜子
音楽監督:甲斐正人

出演
安蘭けい
石川禅
浦井健治
加藤和樹
咲妃みゆ
シルビア・グラブ
田代万里生
橋本さとし
濱田めぐみ
森公美子
柚希礼音
吉原光夫

スタンバイ:
上條駿
栗山絵美
湊陽奈
安福毅

(五十音順)

主催・企画制作:ホリプロ
後援:カナダ大使館

 

text by STARRing MAGAZINE 編集部

 

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