エンタテインメントには人生を変える力がある。瀬戸かずや、初のコンサート開催!(後編)

宝塚歌劇団花組で華のある男役スターとして活躍し、昨年7月に惜しまれながら退団した瀬戸かずやのファーストコンサートが開催される。タイトルの『The ALSTROEMERIA-アルストロメリア-』は花の名前で、花言葉は “未来への憧れ”、“凛々しさ”。瀬戸自身を表現するに相応しい 想いがタイトルに込められている。男役ではない「瀬戸かずや」をまだ自分でも知らない、と語ってくれた2月取材のインタビューを前編・後編に分けてお届けする。


エンタテインメントで人間の人生が変わる

エンタテインメントの力について、瀬戸さんのお考えはいかがですか?

人生を変えるだけの力がエンタテインメントにはある、と思っています。絶対に、生きる上で必要なもの。私自身も宝塚を観て、人生が変わった一人です。ここに入りたい、と思って現在があります。

不要不急と言われてしまうかもしれませんが、長い目で見たときのその舞台の一瞬はもの凄く大事なのです。自分自身が何かを表現するのみならず、目に見えない力が働く不思議な空間は、やはり凄い世界だな、と思います。観ていた側から自分が舞台に立ってお客様に届ける側になり、やりがいを感じています。

当たり前に舞台に立てていた時期から、日々何が起こるか分からず舞台が止まってしまうこともある状況を経験して、改めて気づいたことがあります。届けたい思いがあるのに、その場が奪われて無くなってしまう状況は、いつどのように起こるか誰にも分かりません。お客様に来てもらえなくても、届けたい気持ちはこんなにも尊いものだったのか、と思います。

現在の状況では、舞台が当たり前のことではなく、奇跡の積み重ねで成されることなのだ、と心から思います。今回、自身がコンサートという形で届けられるのは、何か意味があるのでは、と感じています。自分の役割を考えて、届けられるメッセージや、何か一つでも元気になれる要素が込められれば、と思います。

それこそが、いまの私の使命であり、挑むべき課題だと感じています。舞台を観る側としても、エンタテインメントという灯は消してはならない、と強く思うのです。良い意味で「心が動く」ことはとても大事で、そういう場は必ず必要ではないのでしょうか。

今回のコンサートは、私の人生の中でも、一つの節目でもあります。私が出来ること、やれることを見つけて、発信してまいります。

構成・演出・振付は、宝塚歌劇団花組の元トップスター、ANJU(安寿ミラ)さんが初演出ですね。舞台の構想はありますか。

タンゴにしっかりと挑もうと思い、提案させて頂きました。格好よく情熱的な場面になると思います。男女どちらかはご想像にお任せするとして、リードする側もされる側としても面白いと思いますし、色々と挑めるチャンスではないか、と思っています。

現在、「瀬戸かずや」の在り方を探している、というお話がありました(→前編はこちら)。今回の舞台では、どのようにご自身の魅力をお伝えしますか?

格好いい女性で在りたいな、というのはあります。以前、瀬奈じゅんさん(元月組トップスター)が退団後にされたコンサートで「ハンサム・ウーマン」という言葉を使われていて、それが本当に素敵だな、と思いました。私自身もいきなり、キュンキュンと可愛くはなれないので(笑)、私らしさって何だろう、と考えてみました。そう思ったときに、女性として格好いいというのを私のなかでどう表現できるだろう、と自分でも知りたく思いました。そういった部分を、下級生の頃から知ってくださっているANJU先生に、引き出して頂けるのを自分でも楽しみにしています。

コンサートのタイトルは、『The ALSTROEMERIA -アルストロメリア-』。花の名前ですね。

宝塚歌劇団では花組出身だったので、愛称の「あきら」から、Aのつく花の名前がいいな、と思いました。それに、調べてみると、アルストロメリアは多くの色を持っている花で、この作品でもきっと自分自身のいろいろな「色」を出せるのでは、と結びつけられました。一人の「瀬戸かずや」ですが、いろいろな多くの面を見せていきたいな、と思います。

公演写真の撮影エピソードはありますか?

何もしないで、とずっとカメラマンに言われました(笑)。力んで、撮られなくては、と頑張り過ぎていたのですが、もっとシンプルにそこに居させて頂いた感じで。新たな発見でした。その中での1枚です。

キメすぎない感じですね。

そうですね。ジーパンと白Tシャツも、イイ感じだな、と思います。

スペシャルゲストに、元月組トップスターの真琴つばささん、元花組トップスターの真飛聖さんと、豪華なメンバーが決定しています。 

私は昨年の夏に退団してまだ少ししか経っていないのですが、上級生の方々が退団して表現されていらっしゃるものは、本当に素敵で格好いいなあ、と思うんですよね。これから自分が進むべき道としても、女性としても学ぶべきことが沢山あるので、細胞レベルで吸収するほど全力で(笑)、この貴重な機会を愉しみたいと思います。

 

18年過ごした宝塚から、新しい世界へ一歩を踏み出した瀬戸かずや。「未来」や「新たな夢」への躍動の想いを込めてのステージは、もうすぐだ。自身の原点や、エンタテインメントへの思いが込められた魅力的なものとなるだろう。

美しくて格好いい ―「瀬戸かずや」の在り方(前編)はこちら

Kazuya SETO 1st concert
『The ALSTROEMERIA -アルストロメリア-』

■出演:
瀬戸かずや
三井 聡、芽吹幸奈
笙乃茅桜、井上弥子、大場陽介、中島康宏
真琴つばさ(スペシャルゲスト 東京:5月1日(日)13:00、大阪:5月7日(土)13:00出演)
真飛 聖(スペシャルゲスト 東京:4月30日(土)13:00、17:00出演)

■構成・演出・振付:ANJU

■日程・会場:
【東京】2022年4月29日(金・祝)~ 5月1日(日)サンシャイン劇場
【大阪】2022年5月6日(金)~ 5月7日(土) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

■一般発売: 2022年3月26日(土) 発売中

■料金:東京 S 席 10,000円、A 席 6,000円、大阪 全席 10,000 円

■公式 HP:
https://www.takarazuka-live-next.co.jp/stage/2022/alstroemeria/

■お問合せ:梅田芸術劇場(東京)0570-077-039 (大阪)06-6377-3888 

■企画・制作・主催:タカラヅカ・ライブ・ネクスト 梅田芸術劇場

 

text by 鈴木陽子(Yoko Suzuki)
CS放送舞台専門局、YSL BEAUTY、カルチャー系雑誌ラグジュアリーメディアのマネージングエディターを経て、エンタテインメント・ザファースト代表・STARRing MAGAZINE編集長。25ヶ国70都市以上を取材、アーティスト100人以上にインタビュー。

 
 
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