京都清水に建つ、小学校の記憶を現在に継承するヘリテージホテル「ザ・ホテル青龍 京都清水」
「日想観」茜色に染まる西の空を眺めながら自分と向き合う絶景体験
「日想観」とは、仏教修行のひとつであり、自分と向き合う時間。沈みゆく西の空の夕陽を眺めながら、極楽浄土を想うと、観音さまを感じることができると言われている。清水寺境内の入り口近くに建つ西門(重要文化財)は、日想観の聖地といわれている。
ここは、京都清水に建つ、世界遺産・清水寺に最も近いヘリテージホテル「ザ・ホテル青龍 京都清水(The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu)」。昭和8年に建てられた元清水小学校を保存・活用して、ホテルとして2020年に生まれ変わった。
ヘリテージの意味は、遺産や継承であり、受け継がれるべき歴史的な価値のあるものという意味合いも含む。このホテルは「記憶を刻み、未来へつなぐ」をコンセプトに、当時の文化、地域に愛された小学校に対するオマージュとしての建築によって、昔の記憶が立ち上ってくるようなタイムレスな雰囲気をたたえている。
ルーツは、京都で誕生した日本で初めての小学校となった「番組小学校」。その一つである元清水小学校は、明治2年に下京第二十七番組小学校として開校した。昭和8年に現在の地に移転新築され、平成23年に小学校としての141年の歴史は幕を閉じた。地元のシンボルであり、大切にされてきたその想いを受け継いだのが「ザ・ホテル青龍 京都清水」だ。ホテルの随所に、小学校当時の面影が残されている。
客室は48室、法観寺・八坂の塔を望む絶景のロケーションに在る。古来より東山を護る神とされてきたのが「青龍」で、その名を冠しており、周りに山々が連なる気持ちのよい場所だ。
校庭で小学生を見守ってきた郵便ポストや、京都市立学校・幼稚園名木百選に選ばれたオガタマの木が、今は中庭に大切に保存されている。
「日想観」の絶景体験
ホテル内のレストラン、restaurant library the hotel seiryuの外にあるテラスでは、仏教の瞑想法である「日想観」の体験ができる。敷地内の中央にあるテラスからは、山々を一望しながら夕陽が眺められる。自然の風や光を感じ、心穏やかに落ち着いた時間を過ごす、ひととき。特別な経験は必要なく、誰にでもできる瞑想。ここは、絶好の場所だ。
シャンパンやオードブルを愉しみながら、ヘリテージホテルを訪れる人々が、自分の想いに向き合い、西方の理想郷に思いを馳せる。それは、現代の「日想観」体験である。
小学生が学んだ教室が生まれ変わったモダンな客室
客室は、全48室。34室の客室はかつての校舎を活用し、当時の学び舎を思わせる窓枠や梁が残っている。ゆったりとしたバスルーム、寝心地のよいベッドは快適で過ごしやすい。
スペイン・バルセロナのプレスティージスキンケア、「Natura Bisse (ナチュラビセ)」のアロマ薫るバスアメニティにも癒される。
『八坂の塔』を眺めるゲストラウンジ
法観寺『八坂の塔』を目前に眺めるゲストラウンジでは、ゆったりとした時間を愉しむ。抹茶のお点前体験、コーヒーミルによる挽きたてコーヒーや、京都清水の銘菓、京都の地酒、アペリティフなどが用意されている。
<Information>
The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu
ザ・ホテル青龍 京都清水
京都府京都市東山区清水二丁目204-2
公式URL
https://www.princehotels.co.jp/seiryu-kiyomizu
問合せ・予約
TEL:075-532-1111(代表)
TEL:075-532-1130(予約直通 9:30~18:00)
photo by 竹崎恵子(Keiko Takezaki)
旅&ライフスタイルをメインに、雑誌、PR誌等幅広い分野で活動中。海外は25ヵ国以上を撮影。
text by 鈴木陽子(Yoko Suzuki)
CS放送舞台専門局、YSL BEAUTY、カルチャー系雑誌ラグジュアリーメディアのマネージングエディターを経て、エンタテインメント・ザファースト代表・STARRing MAGAZINE編集長。25ヶ国70都市以上を取材、アーティスト100人以上にインタビュー。