SDGs に取り組む、レストラン「炅」
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サステナブルをテーマに環境に配慮して、地元の提携農家から届いた食材を調理するレストラン「炅」(ケイ)では、フレンチをベースとした薪火(まきび)を使った料理がいただける。CO2 の排出削減を意識して、薪ほか、炭、藁の火を使った料理を提供する。シェフは、地元の栃木県・那須塩原の出身。伝統的なフレンチをベースにした、自然エネルギーを採り入れた「炎」の料理を創り出す。地産地消を目指し、シェフが自ら生産者のところに足を運んだ旬の食材を調理する。
カウンターでは、オープンキッチンで薪火を見ながら食事をいただける。
この日のメインの肉料理は、薪窯で焼き上げた、岩手県田村牧場の短角牛のロースだった。東京食肉市場で肉の目利きをする人から直接仕入れたそう。脂肪分が少なめの赤みの肉で、滅多に入ってこない食材とのことだ。
魚料理の真鯛は、石の上で煙を立てて運ばれる。ゲストの目の前でサーブし、アミエビソースをかけていただく。
最初の料理は、一口サイズのオードブル。日光鱒とじゃがいものコンフィ、日光HIMITSU豚のマカロン、河内ふぐのエスカヴェッシュ。栃木県産の素材を、色鮮やかに活かしている。日光の自然で育てられたブランド豚をリエット風に挟み、カカオ、黒大蒜(くろにんにく)が味のアクセントになっている。
大皿の代わりに地元の木材を使った食器もユニークで、創意工夫しながらSDGsに取り組むレストランだ。
柚子が乗った大根の蓋を開けると、甘酒のスープ。まず、スープを飲んで、大根を食べるときにスープや柚子に絡めていただく。見た目にも美しい一品だ。
あわせて当日の食事には、イタリア流の素材がシンプルなパン「チャバタ」に、本来の牛乳の味わいが感じられると評判の栃木県・那須の千本松牧場で作られたバターが食事と一緒に提供されていた。
レストランでは「地域や社会への貢献」をテーマに、地元のほか、北関東や近隣の東北、地域性を表現するローカル食材を積極的に用いている。根菜料理は、京都の有名な聖護院蕪と栃木県・那須の三元豚を一緒に提供。地域の食文化の魅力を伝える。
鮮やかな魚料理の一皿は、鮑料理。東北の未来を願って、三陸でとれた魚介を用いて独自の感性でテーブルを彩る。美しい翡翠色の鮑を活かしている。
苺は、県産の新品種「とちあいか」。栃木県で生まれた、10番目のオリジナル品種だ。これまでの苺より甘味をより増して酸味を少なめにしたので、生の苺をメインにしたデザートにぴったりだ。
プティフールは3種。大粒で甘味のある「利平栗渋皮煮」に、ほうれん草を使用した緑色の「法蓮草マドレーヌ」、地酒である純米吟醸「日光誉」の酒粕を使った日光醤油「誉」を上に乗せた「醤油パウンド」だ。
朝食は、メインを和定食と洋定食から選ぶ。和洋とも当日の仕入れによって変わる小鉢の料理が提供される。この日は、洋食は主菜の日光HIMITSU豚金山寺味噌焼きにオムレツ、蕪甘酢漬けに、甘酒スムージーや味噌ラタトゥイユ、モッツァレラチーズのたまり漬けなどの小鉢。和食は、プレミアム八潮鱒の塩麹漬け、厚焼き玉子の主菜に、小鉢のとちぎ和牛しぐれや無農薬かぼちゃのそぼろ煮などだった。
そのほか、カウンターでサラダや副菜、ドリンクを好きなだけ取るハーフブッフェスタイル。ドリンクはフレーバーウォーターや、地産の果物を使ったフレッシュジュースなど、ヘルシーな飲み物が揃っている。
レストランに併設されたライフスタイルストア「会」は、地域・食・温泉をテーマにしたショップ。店内には日光の工芸品、焼き物のテーブルウェア、発酵食品など地産の商品が並ぶ。オリジナルのケーキ、スイーツもあり、パンのブリオッシュは焼き立てを数量限定で販売している。レストランで使用されている一部のオリジナル食器や食材なども販売している。
四季折々の良さを感じる、上質な時間が待っている。施設の概要は、公式サイトまで。
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鬼怒川渓谷のリゾートへ「東急ハーヴェストクラブ VIALA鬼怒川渓翠」
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<Information>
東急ハーヴェストクラブ VIALA ⻤怒川渓翠
栃木県日光市鬼怒川温泉大原334-1
公式サイト
https://www.harvestclub.com/Un/Hotel/Kw/
会員制について詳しく
https://www.harvestclub.com/sales/
photo by 竹崎恵子(Keiko Takezaki)
旅&ライフスタイルをメインに、雑誌、PR誌等幅広い分野で活動中。海外は25ヵ国以上を撮影。
text by 鈴木陽子(Yoko Suzuki)
CS放送舞台専門局、YSL BEAUTY、カルチャー系雑誌ラグジュアリーメディアのマネージングエディターを経て、エンタテインメント・ザファースト代表・STARRing MAGAZINE編集長。25ヶ国70都市以上を取材、アーティスト100人以上にインタビュー。