【公演レポート】花總まり、瀬奈じゅん出演! 80’s J-POPSで彩るジュークボックスミュージカル、『SUNNY』上演中
写真:公開ゲネプロ
2011年に韓国で製作され、大ヒットを遂げた映画『SUNNY』が、今回世界で初めて舞台化された、現在上演中のミュージカル『SUNNY』。
80’s J-POPSで彩るジュークボックスミュージカルで、音楽に彩られながら、青春時代を謳歌した仲間との大切な時間が再び動き出す。
1980年代、女子高生たちの青春時代を彩った仲良しグループ「SUNNY」。月日は流れ、今は主婦となった奈美。ある日、奈美は「SUNNY」のリーダーであった千夏と偶然再会し、彼女が大病を患っていることを知る。そして、病床の千夏からメンバーにもう一度会いたい、という頼みごとをされる。
個性豊かな大人になった「SUNNY」のメンバーを演じるのは、花總まり、瀬奈じゅん、小林綾子、馬場園梓、佐藤仁美。「SUNNY」の再集結に向け奔走する奈美役を花總、「SUNNY」のリーダー・千夏役を瀬奈が演じている。奈美と千夏の女子高生時代は、渡邉美穂(日向坂46出身)、須藤茉麻(Berryz工房出身)が演じ、現在につながる仲間の群像劇が繰り広げられる。
アイドル的な雰囲気で可愛らしくて芯の強い奈美、チームを率いてリーダーで格好よく仲間思いの千夏を中心に、それぞれの役が過去と現在でシンクロする。
メンバーの空気感が出ていて、泣き笑いしながら、最後は爽快な気分になる舞台だ。人生は、生きている限り続く。幸せに見えていても外から分かりえない事情を持ち、学生時代と違う境遇や心の痛みを持つ大人になったSUNNY。成長したSUNNYのメンバーは再会して、また「仲間」という心の拠り所を得て、大切な時間を取り戻し、昔のようにユーモアや強い絆で解決していく。その姿に観客は笑ったり、涙したりする。
曲は、ストーリーに沿った流れで印象的に歌われる。あのヒット曲が、この話の流れで、このキャスト同士で、という新鮮な楽しみがある。記事に書くのは公開されている一部の曲だが、ほかの数々の楽曲や、後半を含めて、ぜひ劇場で楽しんで欲しい。
♪「センチメンタルジャーニー」
奈美が歌う「センチメンタルジャーニー」。宝塚歌劇団のトップ娘役として活躍し、在団中にアイドルに扮したショーが話題をさらった花總まりが歌う。夢の世界を魅せるといった表現で、この舞台ならではの役柄で魅力を放ち、きらきら輝くオーラに満ちた1曲。
♪「待つわ」
奈美と、千夏が歌うデュエット。話の流れで歌われる「待つわ」には意味合いがあり、お互いの心情を重ねる。高音のパートを花總まり、低音のパートを瀬奈じゅんが歌う。今回の作品が芝居で初共演、ミュージカル界で活躍中の二人がJ-POPSをハモるという、他作品ではなかなか観られない贅沢な場面でもある。
♪「想い出がいっぱい」
輝いていた青春時代は、熱くエネルギッシュで、明るい笑顔に満ちていた。現在と昔は違う境遇であるけれど、歌詞にあるように“少女だった”頃を振り向いて思い出し、それぞれの想いが交差するような1曲。現代と過去を演じるSUNNYのメンバーで歌われる。同じ役を演じる成長した大人と学生時代のキャスト同士が一緒に歌う旋律は、聴きどころ。
他にも「涙のリクエスト」「飾りじゃないのよ涙は」「ダイアモンド」など、かつてのヒット曲が場面によって歌われる。病床の千夏役を演じる瀬奈じゅんが、歌い上げる場面にも注目。
SUNNYの結束力同様に、カンパニーの仲の良さが伝わってくる舞台作品。出演者の実力や個性が加わり、ドラマティックに、コミカルに、人生の悲哀を感じさせ、といった各々の役の見せ場がある。
客席から手拍子も起こって盛り上がる80年代 J-POPSのメドレーは、登美丘高校ダンス部の“バブリーダンス”で注目されたakaneによる振付。ノスタルジックなヒット歌謡曲やアイドル的な振付をオマージュしながら、SNS全盛時代の現在に人気のキャッチーな動き、心に刺さるインパクトがあって、どこかユーモラスなダンスは、過去と現在をつなぐ劇の作風にマッチしている。ライヴの魅力に満ちていて、フォーメーションも見ごたえのある動きは、迫力があってミュージカルを一層盛り上げる。
熱くてエネルギッシュ、爽やかで甘酸っぱい、心動かされるミュージカル『SUNNY』。青春を謳歌しても心残りがある人でも、いま青春時代を楽しんでも悩んでいる人でも、観客の年代や生き方を問わず舞台で昇華されるような、人生への視点が温かい作品。ぜひ劇場で!
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<Information>
ミュージカル 『SUNNY(サニー)』
■脚本・演出:西田征史
■振付:akane
■出演:花總まり、瀬奈じゅん、小林綾子、馬場園梓、佐藤仁美/渡邉美穂、須藤茉麻/片桐 仁
川村咲季、横岡沙季、古沢朋恵、伊藤友惠、伊藤彩夏、池田晴香、
飯沼帆乃佳、菊田万琴、浅倉智尋、鈴樹志保、井阪郁巳、寺田彩乃
■公演日程:〔東京〕2023年6月26日(月)~7月5日(水) 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場) 〔大阪〕2023年7月9日(日)~13日(木) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
■チケット料金:〔東京〕S席12,500円 A席8,000円 B席5,000円〔大阪〕全席指定席12,500円
■お問合せ:梅田芸術劇場(10:00~18:00)〔東京〕0570-077-039 〔大阪〕06-6377-3888
■企画・制作・主催:梅田芸術劇場
■HP:https://www.umegei.com/sunny/
■Twitter:@SUNNY_umegei
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text by STARRing MAGAZINE 編集部