GANMI×宝塚歌劇OG DANCE LIVE『2STEP』Photo Shooting INTERVIEW 綾凰華&飛龍つかさ
取材時期は冬。「ビジュアル撮影をして、12月のGANMIさんのライブ『G PARTY』を観て以来だね(飛龍)」と再会を喜ぶお二人。
撮影セッションの合間に、お互いのダンスの魅力について、トークしていただきました。
飛龍「綾は、同期の中でもダンスリーダーでした。私は宝塚音楽学校の授業で初めてモダンダンスに挑戦したので、始めは手も足も出ない状態でした。そんな中、ちゃんと動けている綾を見ながら、必死に真似していたのを覚えています。それが最初の印象なので、綾のダンスを見ておけば、勉強になると私は思っています(二人共、笑)。
綾は同期の中でもダンスの信頼が厚い存在で、ダイナミックな動きから繊細な表現まで、細かいところまで丁寧に踊る印象でした。バレエもモダンダンスも出来て、踊る時の身体のラインが綺麗で、芸術的な動きができるダンサーだな、と思って見ていました。
歌劇団に入団してからは、組が違いましたので、客席から舞台姿を見ていました。ラインの綺麗さはやっぱり変わらず、男役として花を咲かせて踊る姿に刺激を受けました。綾自身のダンスが確立されていて、それが私は大好きで、真似したいけど出来ないな、といつも思っていたのを覚えています」
綾「私は小さい頃から、バレエと、ジャズダンスを習っていました。クラシックバレエの経験はあっても、ダンスは宝塚音楽学校に入学してから始める子も多くいました。でも、同期皆んな学びの吸収力が凄いから、めきめき成長を遂げて、私は学んだ年数は長いけれどのんびりもしていられない!という感じで、仲間と切磋琢磨していました。
宝塚歌劇団に入団すると、そこから男役としてのダンスを追求していきます。そこの境地はまた、一言で「踊り」というだけでなく、性別を超えた追及、魅せ方、感性、果ての無い芸の道のりになります。『自分のダンスとは、何だろう』と日々、模索していました。
つーちゃん(飛龍)は、入団した時からすでに自身の男役像をしっかり持っているというのがとても強い印象でした。そこが初めて会った頃から、ずっとリスペクトしてきた部分です。
こうなりたい! こう表現したい! という信念が凄くあって、いつも、つーちゃんの想いのようなものを凄く感じます。それが観る人の心に響くし、組は違ったけれど、機会があって同じ舞台に立つ時には熱いものを感じて、在団中から刺激を受けていました」
飛龍「宝塚歌劇のダンスは、独特です。タカラヅカにしかないジャンルだと思っています。華やかなお衣装とセット、高いヒールを履いて、本当に少女漫画から飛び出してきたようなビジュアルでいかに美しく踊るかを求められるのが宝塚歌劇のダンスだと思います。それにプラスして、男役はどう格好よく見せられるか、が求められます。品の良さと色気の絶妙なバランスを意識して、腰の使い方や指の先まで常に意識を保つようなイメージが男役のダンスなのかな、と思いますが、言葉ではなかなか言い表せないですね。「男役10年」という言葉があるくらい、10年の重みがあるもので、そのくらいの年数一生懸命に頑張ってやっとこういうものかもしれない、と体感する奥が深く長い道のりを必要とします」
綾「男役は自分を超えて男性よりも格好良くなるにはどうすればいいのかを、日々研究します。いただいた振りに対して、この手の角度をこうしてみよう、この目線を少し残したら色気が出るのでは、など、本当に細かいところまでを一人一人が研究します。シンプルに言うと、どこまで格好よくなれるのかを追求する踊りだと思うのですが、そこには無限の追求心、細部にまでこだわりぬく信念が必要だと思います。それはダンスに限らないと思うのですが、緻密なところまで自分と向き合いながら積み上げていく、そしてそこにその人にしかできない表現、個性が生まれて、お客様にお届けする。あのスターさんのあの振りが好き、この方のここの音の取り方が好き、など様々な魅力に繋がっていきます。男役のダンスは奥深いと思います」
飛龍「GANMIさんがワークショップをしてくださった時に、Sotaさんに振りを教えていただきました。短い小節で、一緒に同じ振りを踊っているのに、こんなにも違う動きに見えるのか、と鏡越しに発見がありました。正解はない、素敵に見えることが大切なのだ、と自分らしさを見つける努力をしていこうと思いました。
ワークショップの時に、宝塚歌劇の代名詞でもあるラインダンスに挑戦したい、とGANMIさんたちがおっしゃって『足を上げるのは、どうやるの?』と私たちに聞いて試しに踊ってくださいました! お互いに歩み寄って、特徴、個性を取り入れても真似にならず同じ踊りには決してならないということが実感できました。本当に、他では見られない特別なダンスパフォーマンスになるのでは、と予感しています」
綾「GANMIさんが女性のチームとコラボをすること自体、斬新だと思います! 現在の自分たちがそれぞれの経験を経てどういう踊りをこのチーム全体でお見せできるのか、ぜひご期待ください」
GANMI×宝塚歌劇OG DANCE LIVE
『2STEP』出演者
リレー連載 INTERVIEW 記事
第1回 宇月颯
第2回 飛龍つかさ
第3回 綾凰華
<Information>
GANMI×宝塚歌劇OG DANCE LIVE
『2STEP』(ツーステップ)
【東京公演】 2023年5月26日(金)~5月28日(日)
日本青年館ホール
【大阪公演】 2023年6月2日(金)~6月4日(日)
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
■公式HP
https://www.takarazuka-live-next.co.jp/stage/2023/2step/
■お問合せ 梅田芸術劇場(10:00~18:00)
〔東京〕0570-077-039 〔大阪〕06-6377-3888
■企画・制作・主催:タカラヅカ・ライブ・ネクスト、梅田芸術劇場
振付:GANMI
構成・演出:Sota(GANMI)
出演
【GANMI】 Sota、SUN-CHANG、kooouya、Kazashi、Mr.D、shun、Dyson、Yuuki、Ryoga、O.S.M、AOI
【宝塚歌劇OG】
宇月 颯、風馬 翔、隼海 惺、矢吹世奈、綾 凰華、飛龍つかさ、輝生かなで
《SPECIAL CAST》 湖月わたる
photo by 山崎あゆみ(Ayumi Yamazaki) http://ayumiyamazaki.com/
東京を拠点に建築、旅、人物と幅広いジャンルを撮影。
text by 鈴木陽子(Yoko Suzuki)
CS放送舞台専門局、YSL BEAUTY、カルチャー系雑誌ラグジュアリーメディアのマネージングエディターを経て、エンタテインメント・ザファースト代表・STARRing MAGAZINE編集長。25ヶ国70都市以上を取材、アーティスト100人以上にインタビュー。