ミュージカル『太平洋序曲』出演の廣瀬友祐が、共演を愉しみにする俳優たち！（後編）
ミュージカルの巨匠、スティーヴン・ソンドハイムの『太平洋序曲』が、2023年3月に幕を開ける。時代は、ニッポンが世界と出逢った、江戸時代末期。日本が鎖国を解き、開国し、西洋化へ向かう激動の過程を描く意欲作だ。
ペリーとの交渉に臨む重要な役どころである武士の香山弥左衛門役を演じる、廣瀬友祐さんにお話を伺った。前編は、数々の話題の舞台で活躍中の廣瀬さんに俳優に対しての想いや、今回の香山弥左衛門役への抱負を伺う。後編は、魅力的な共演者の方々についての印象を語って頂いた。
本作品は、狂言回し役に山本耕史・松下優也、香山弥左衛門役に海宝直人・廣瀬友祐、ジョン万次郎役にウエンツ瑛士・立石俊樹がそれぞれダブルキャストで挑む話題作。（＊敬称略）
『TOP HAT』の演出家マシュー・ホワイトと屈指のクリエイティブスタッフによる新演出に、日本を代表する実力派キャストが集結。新たな『太平洋序曲』の世界を創り上げる。
俳優・廣瀬友祐が目指す役者の姿 ミュージカル『太平洋序曲』に出演（前編）は、こちら
魅力的なキャストと共演！
魅力的な男性陣のメインキャストと共演ですね。昨年の“決起集会”（プレス会見）では、狂言回し役を演じる山本耕史さんを中心に、個性が感じられました。
素晴らしい俳優の方々とご一緒できるのは、本当に嬉しいですね。どのジャンルでもご活躍されている山本耕史さんは、いつか共演できたら…と思っていました。
山本さんと共演を心待ちにしていた理由は？
山本耕史さんは、誤解を恐れずに言えば、時代の流れと関係なく、いつも第一線にいらっしゃる方。常にトップクラスで必要とされ、そのポジションを必要以上に演じて見せてくれるイメージです。どの流行の時代においても、山本さんがそこにちゃんと存在してくれるような心強い存在です。
そのような印象を持つ中で、山本さんと共演経験のあるミュージカルや舞台の俳優たちから、本当に何でも出来る方という声を実際に聞いてきたので、以前より共演が叶えば、と思っていました。歌も、お芝居も、楽器も、お喋りも面白くて、何でも出来て尊敬できる方だろうな、と想像していました。
会見で初めてお会いし、醸し出す雰囲気も素敵で、その思いは確信に変わりました。この作品を通して、いろいろ勉強させていただければ、と楽しみにしています。
山本耕史さんと同じ役をWキャストで、松下優也さんが出演されます。
松下優也くんは、ミュージカル『黒執事』でご一緒しました。それ以来ですね。彼の持つオリジナリティのようなものに、凄く惹かれるんです。カッコいいな、と思います。
このコロナ禍に入ってから、自分のパーソナルな部分がどれほど大事なものなのか、この世の中で大事になってくるのか、ということに改めて気づかされました。
その人が存在している、というオリジナルの意味を持っている人が僕は好きです。松下くんは自分というものを持っている方だと思います。
廣瀬さんとWキャストで香山弥左衛門役を演じる、海宝直人さんの印象はいかがでしょう。
僕は、海宝直人くんのいちファンで、彼の歌声のファンです。そんな彼と同じ役をミュージカルで演じるのは、内心ではもしかして嫌と感じてもおかしくないはずなのに、いちファンとして同じ役を歌い演じることに喜びと感謝の気持ちの方が大きいです。だからこそ、自分にしか無い、声、身体、表情でしか生み出せない表現というものを、必死で掴み取りたいな、と思っています。そのように思わせてくれる、偉大な先輩です。実際は、歳は下で、経歴や舞台の経験値は彼の方が大先輩。だから、甘えられるところは甘えて、自分自身が闘わなければいけないところは闘って。（海宝）直ちゃんと、それぞれの香山弥左衛門役という役を作ることができたら、と思っています。
香山弥左衛門役に挑戦
昔の日本人を演じる機会は、ミュージカル作品でもあまり無いように思います。この役が決まったときのお気持ちは？
僕自身は日本人なのに、確かにミュージカルにおいて、演じる機会は少なかったように思います。最初、香山弥左衛門役って聞いた時は、役柄はどちらかというと「俺はジョン万次郎だろう」という印象でした（笑）。
今は、そのような役に挑戦させてもらえて、有難いと思っています。先におっしゃって頂いたような（前編）、「二枚目がぴったり」と言ってもらえるような、役が合っている、まるでそのものに見えることが叶ったら、役者として非常に嬉しい喜びです。あの当時の日本男児、武士そのものに見えるというのは、僕にとっての挑戦でもあります。
世の中は変化し続けている
鎖国から開国する時代背景のストーリー。昨今、世界が変化したことについて、どう感じていらっしゃいますか。
基本的には、この世の中は変化し続けていると思うんです。例えば、もし今の時代が鎖国状態の日本であったとしても、日常生活で日々の変化はあるんだと思います。ただ、そのような日本の状況で、自分の許容範囲だった世界から、手に負えないような情報量や、とてつもない刺激が入ってきた時に、結局どうなるのか、というのは結果論でしかありません。対応能力があるのか、柔軟性があるのか、壊されてしまうのか、押しつぶされてしまうのか。
だからこそ、自分自身の意志がとても大切です。今この変化している時代で、周りに沢山の情報が溢れている中で、どの情報を取り入れて、どう自分というものを構築して形成していくのか。周囲に情報が増えれば増えるほど、変化が起これば起こるほど、自分自身を見つめるべきだな、ということを感じています。
俳優・廣瀬友祐が目指す役者の姿 ミュージカル『太平洋序曲』に出演（前編）は、こちら
梅田芸術劇場×英国メニエールチョコレートファクトリー劇場 共同制作第1弾
ミュージカル『太平洋序曲』
PACIFIC OVERTURES
キャスト
狂言回し 山本耕史・松下優也(Wキャスト)
香山弥左衛門 海宝直人・廣瀬友祐(Wキャスト)
ジョン万次郎 ウエンツ瑛士・立石俊樹(Wキャスト)
将軍/女将 朝海ひかる
[老中] 可知寛子/ [たまて] 綿引さやか/ [漁師] 染谷洸太/ [泥棒] 村井成仁/ [少年] 谷口あかり/ [提督] 杉浦奎介/ [提督] 武藤寛/ [提督] 田村雄一/ [提督] 中西勝之/ [提督] 照井裕隆/ [水兵] 藤田宏樹/ [少女] 井上花菜
＊登場順
スタッフ
作詞・作曲 スティーヴン・ソンドハイム
脚本 ジョン・ワイドマン
演出 マシュー・ホワイト
翻訳・訳詞 市川洋二郎
音楽監督 キャサリン・ジェイズ
美術 ポール・ファーンズワース
照明 吉枝康幸
音響 山本浩一
衣裳 前田文子
ヘアメイク 中原雅子
音楽監督補 小澤時史
指揮 小林恵子
歌唱指導 やまぐちあきこ
演出助手 河合範子
舞台監督 藤崎遊
【東京】2023年3月8日(水)~29日(水) 日生劇場
【大阪】2023年4月8日(土)~16日(日) 梅田芸術劇場メインホール
料金：S席13,500円 A席9,500円 B席5,500円
お問合わせ：梅田芸術劇場 (東京) 0570-077-039 (大阪) 06-6377-3800
企画・制作・主催:梅田芸術劇場
公式HP：https://www.umegei.com/pacific-overtures/
公式Twitter:@ P_Overtures
俳優・廣瀬友祐が目指す役者の姿 ミュージカル『太平洋序曲』に出演（前編）は、こちら
スタイリスト：秋山貴紀（A Inc.）
photo by 最上梨沙（Lisa Mogami） http://www.lisamogami.com
人物、ファッション、ライフスタイル、フードなど幅広い分野で活動中。
Instagram ＠lisamoga31
text by 鈴木陽子（Yoko Suzuki）
CS放送舞台専門局、YSL BEAUTY、カルチャー系雑誌ラグジュアリーメディアのマネージングエディターを経て、エンタテインメント・ザファースト代表・STARRing MAGAZINE編集長。25ヶ国70都市以上を取材、アーティスト100人以上にインタビュー。
