瀬奈じゅん出演、『SUNNY』世界初の舞台化! 80’s J-POPSで彩るジュークボックスミュージカル

2011年に韓国で製作され、大ヒットを遂げた映画『SUNNY』が、今回世界で初めて舞台化される。80 年代のヒット曲に乗せて、誰もが経験しただろう淡い青春時代と、 大人になりそれぞれ事情を抱えている彼女たちの現在が交錯する。

1980年代、とある女子高生たちの青春時代を彩った仲良しグループ「SUNNY」。月日は流れ、今は主婦となった奈美。ある日、奈美は「SUNNY」のリーダーであった千夏と偶然再会し、彼女が大病のため余命1か月を宣告されていることを知る。そして、病床の千夏から「SUNNY」のメンバーにもう一度会いたい、という頼みごとをされる…。

個性豊かな「SUNNY」のメンバーを演じるのは、花總まり、瀬奈じゅん、小林綾子、馬場園梓、佐藤仁美。「SUNNY」の再集結に向け奔走する奈美役を花總まり、「SUNNY」のリーダー・千夏役を瀬奈じゅんが演じる。 
*敬称略

STARRing MAGAZINEでは、瀬奈じゅんさんにインタビュー! 瀬奈さん自身の青春時代の思い出、初共演となる花總(はなふさ)まりさんの印象、作品への抱負などを伺った。


青春時代の思い出

学生時代の思い出といえば?

中高の学生時代は、校則が厳しかったことを覚えています。前髪は眉毛の上、肩に髪がついたら二つに結ぶ、編める長さになったら三つ編み、スカートの丈は膝から何センチ…など、たくさん決まりごとがありました。学校の最寄り駅を一駅過ぎたら、すぐにスカート丈を上げて、靴下も履き替えて、三つ編みもほどいていました(笑)。見つかったら大変なことになる厳しい学校でした。

学校生活より、私はバレエに一生懸命でしたので、バレエレッスンや仲間は思い出深いですね。

その後、宝塚音楽学校に入り、宝塚歌劇団に入団。瀬奈さんにとって、『SUNNY』のような青春時代というと、いつ頃の時代ですか?

タカラヅカ。タカラヅカのすべてが私の青春です。「青春」といえば、宝塚の仲間が思い出されます。花組の下級生時代や月組時代は、特に印象に残っています。

宝塚歌劇団の時代ですね。同期との思い出ですか?

同期は、いまだに固い絆で結ばれています。同期はもちろん揺るぎない存在で、青春というと当時の組の仲間を思い出します。

花組にいた時代は、早い時期から同期の男役が私一人になり、一期上の春野寿美礼(すみれ)さんや朝海(あさみ)ひかるさんなど学年が近い男役の方々にお世話になっていました。その時代の花組男役の絆は、第一の青春でした。

花組時代の春野寿美礼さんとのコンビは、ファンの間でも有名ですが、瀬奈さんにとってどのような存在の方でいらっしゃいますか。

同期とも違いますし、単純に一期上の先輩、とは違う存在に感じています。一緒に闘って、一緒に成長した兄弟みたいな感じかもしれません。やはり特別な存在ですね。

その後、瀬奈さんは月組でトップスターに就任されました。

第二の青春は、組替え後の月組時代。私が月組で一番上になり、学年が上から4人の「幹部部屋」と呼ばれる楽屋は、組長、副組長、私、(瀬奈さんの次にトップスターに就任した)霧矢大夢(きりや・ひろむ)さんが一緒でした。組を纏める存在の組長が私より下級生なのは異例で、とても頼ってはいたものの、私がしっかりしなければ、と常に気を張っていました。

皆んなで頑張って月組を盛り上げていこう、と団結していました。あの幹部部屋も、私にとって青春時代の思い出です。


演じる千夏役について

千夏役についての印象は、いかがでしょう?

どれだけ仕事で結果を残し、住むところにも困らず、財産を手に入れても、それらを託す人がいないのは悲しいことだと思いました。一生懸命働いてきたのに、少し淋しいことだな、と。そういう意味で、昔のSUNNYのメンバーを集めて、いろんなことを千夏は託したかったのでは、と思います。

作品のセットリストで公開された、80年代の楽曲はいかがですか。当時の思い出はありますか?

セットリスト
♪ SWEET MEMORIES スウィートメモリーズ (松田聖子)
♪ 待つわ(あみん)
ほか

「SWEET MEMORIES(スウィートメモリーズ)」と聞いて、パッと思い浮かぶのが、CMのペンギン。あのペンギンが大好きでグッズも持っていました(笑)。「懐かしい〜痛みだわ〜♪」とペンギンが歌うんですよね。あの頃を懐かしく思い出しました。(80年代に放映されていたサントリーのCM。松田聖子の歌う「SWEET MEMORIES」がCMソング)

あの年代に流行したCMですね。花總まりさんと「待つわ」も歌うと伺いました。

そうなんです。花總さんと歌います。80年代の曲とは聞いていましたが、「待つわ」を二人で歌うと聞いたときは「そうきたか!」と思いました(笑)。

花總さんとは芝居では初共演で、ミュージカル界で活躍中のお二人が、王道の80年代 J-POPSをハモるんですね!

宝塚歌劇の男役は、コンサートなどでも、J-POPSをよく歌いますよね。娘役出身の方々はあまり歌われるイメージがないのですが、今回は、主婦の役を演じる花總さんと歌います。楽しみです。

当時の曲について語ると、昔を思い出しますか?
80年代の曲を聴くと、当時は小学生だったので、部屋の暖房の匂いや家族で団欒していた何気ない光景を思い出します。


人生を振り返る瞬間

演じる千夏役は、病気をきっかけに人生を振り返ります。瀬奈さんは、ご自身を振り返るときはありますか?

有難いことに、芸能生活をさせていただいていると、周年の節目があり、その度に皆さんから思い出す機会をいただいております。今年は30周年を迎え、4月で31周年。私自身より皆様がいつも楽しみにしてくださっています。

 

今回が初共演となる、花總まりさんの印象

花總さんの印象はいかがですか。一期違いのほぼ同世代ですね。

宝塚音楽学校の頃から、娘役でありながら、カッコいいな、と思っていました。周囲がどうあってもブレない、良い意味で群れない、という姿が他の方と次元が違う印象で素敵でした。

お互いが影響し合って作り上げる、舞台の役

役への取り組み方は、いかがでしょう。

私は、原作より何よりも、演出が第一と常に考えています。もちろん自分のなかで役を考えて準備しますが、基本的にお芝居は、自分だけで作るものではないと思っています。例えば、『エリザベート』だったら、作品のかなり後半にルドルフ役が出てくるまでに、いろんな人物がルドルフの話をする。だから、舞台に登場した時には、すでにその役のイメージが観る側に出来上がっています。

本来は、ルドルフ役のように周りも含めて皆んながそれぞれの役を作るべきだと私は思っているんです。私だけが千夏の役を作るのではなく、私と皆んなで千夏の役を作る、花總さんが演じられる奈美も私の立ち居振る舞いによってどう見えるかが変わってくると思います。舞台は、皆んながお互いに影響し合ってその役を作り上げられれば、と考えています。

ミュージカル『SUNNY』に向けて一言。

何の先入観も持たず観ていただきたい、とお伝えしたいですね。自分が思う、感じるままを受け取っていただければ嬉しく思います。

『SUNNY』の作品を予習するのもよし、舞台を観て映画を観るのもよし、といろいろな楽しみ方をしていただけたら。観劇後に映画を観て、もう一度舞台を観てみようかな、と思われたら、何度でもぜひ足をお運びいただければ、と思います!

 

作品の脚本・演出は、NHK「とと姉ちゃん」や、TBS「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」ほか数々の人気ドラマや、映画、舞台など、ジャンル を超えて幅広く活躍する西田征史。

花總まり演じる奈美と瀬奈じゅん演じる千夏の女子高生時代は、渡邉美穂(日向坂46出身)、須藤茉麻(Berryz工房出身)が演じる。“バブリーダンス”で注目されたakaneによる振付も見どころ。

青春時代を謳歌した仲間との大切な時間が再び動き出す、温かな絆に包まれたミュージカル『SUNNY』。ぜひ劇場で!

 

取材エピソードの編集後記は、こちら

<Information>

ミュージカル 『SUNNY(サニー)』

■脚本・演出:西田征史
■振付:akane
■出演:花總まり、瀬奈じゅん、小林綾子、馬場園梓、佐藤仁美/渡邉美穂、須藤茉麻/片桐 仁
川村咲季、横岡沙季、古沢朋恵、伊藤友惠、伊藤彩夏、池田晴香、
飯沼帆乃佳、菊田万琴、浅倉智尋、鈴樹志保、井阪郁巳、寺田彩乃

■公演日程:〔東京〕2023年6月26日(月)~7月5日(水) 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場) 〔大阪〕2023年7月9日(日)~13日(木) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
■チケット料金:〔東京〕S席12,500円 A席8,000円 B席5,000円〔大阪〕全席指定席12,500円
■一般発売開始:2023年4月22日(土)
■お問合せ:梅田芸術劇場(10:00~18:00)〔東京〕0570-077-039 〔大阪〕06-6377-3888
■企画・制作・主催:梅田芸術劇場
■HP:https://www.umegei.com/sunny/
■Twitter:@SUNNY_umegei

 
 

photo by 山崎あゆみ(Ayumi Yamazaki) http://ayumiyamazaki.com/
東京を拠点に建築、旅、人物と幅広いジャンルを撮影。

text by 鈴木陽子(Yoko Suzuki)
CS放送舞台専門局、YSL BEAUTY、カルチャー系雑誌ラグジュアリーメディアのマネージングエディターを経て、エンタテインメント・ザファースト代表・STARRing MAGAZINE編集長。25ヶ国70都市以上を取材、アーティスト100人以上にインタビュー。

 
 

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