【公開舞台稽古レポート】ZUKA IN JAZZ/SONG & DANCE with NAOKO TERAI Quartet『ALL THAT ZZJA/ALL THAT ZZKA』

“ジャズ・ヴァイオリンの女王”寺井尚子と宝塚歌劇元トップスターたちが織りなす夢のコラボレーション!

本作は、世界的ジャズ・ヴァイオリニスト寺井尚子と宝塚歌劇OGによる夢のコラボレーションコンサート。

本格的JAZZにテーマを絞った良い意味で宝塚歌劇OGでは見たことのない新鮮な舞台、魅せるパフォーマンスで宝塚歌劇OGにしかできない舞台、その両方の魅力が詰まった上質な時間だった。

“ジャズ・ヴァイオリンの女王”寺井尚子が率いるカルテットによる演奏で、そこはとびきり極上の空間になる。出演者たちはブラック×ゴールドの個性を感じさせる衣裳に身を包み、ステージはさながらジャズクラブのよう。

宝塚歌劇OGの元トップスターたち、真琴つばさ、姿月あさと、湖月わたる、風花舞、彩乃かなみの華やかさと存在感に目を奪われる。全員で本格的なJAZZの曲に挑戦している。

♪「Strangers In The Night」で真琴を中心に全員で幕を開け、その後も♪「It Don't Mean A Thing」と名曲が続く。

カンパニーの仲の良さが垣間見られるオープニングトークの後は、ミュージカル『CHICAGO』の曲。姿月あさと、湖月わたるの共演で、伝説の宝塚歌劇OGバージョンNY公演を彷彿とさせ、今回ならではの舞台演出も愉しめる。

真琴つばさと風花舞の宝塚歌劇団元トップコンビが再び舞台上で組み、レディー・ガガ&トニー・ベネットも歌った本格的JAZZの♪「Anything Goes」を聴かせる。彩乃かなみは、天寿光希と晴音アキと♪「Bei Mir Bist Du Schon」を歌い、コケティッシュに妖艶に聴かせる。

諸先輩の元トップスターたちに、“フレッシュ”なOGと呼ばれる退団したばかりの天寿光希と晴音アキがスキャットやダンスで盛り上げる。2人が男性キャストの加賀谷真聡、高橋伊久磨と組んで踊ってリフトされる振付も。『CHICAGO』の場面にも挑戦している。

♪「Spain」では風花舞が圧巻のダンスを魅せ、寺井尚子がジャズヴァイオリンの超絶テクニックを聴かせ、カルテットのピアノ、ベース、ドラムも聴きどころが満載。

ソロ曲含めメインの元トップスターたちがそれぞれ見せ場を作り、寺井尚子カルテットの演奏と華麗にコラボレーションをする。

JAZZのスタンダードナンバーメドレーは、舞台にテーブルを置き、お酒を飲んで愉しんでいる雰囲気を作り上げる。出演者同士がアイコンタクトをして、自由なセッションのように歌い継いで掛け合う雰囲気が洒落ている。

宝塚歌劇のあの名曲が、JAZZで聴ける驚きの演出も(スキャットが予想以上に合う!)。この舞台でしか体験できないゴージャスで華麗、スタイリッシュなパフォーマンスに、本格的なJAZZ演奏の数々。スターたちの新たな一面を知り、これまで知られざる歌声が聴けるナンバー揃い。

構成・演出の菅野こうめいが「最高の宝塚JAZZコラボ・エンターテインメント」と語る舞台。客席も思わずスウィングしたくなるような舞台だ。


2023年9月22日(金) コメント

寺井尚子(企画・原案)
皆様こんにちは。2023年は、宝塚少女歌劇オーケストラ出身の井田一郎氏率いる日本で初めてのジャズバンドが結成されて100年目の記念の年。元トップスターの方々と共に、宝塚歌劇のヒット曲を“今の時代の香りを乗せたアレンジ”で何か新しい世界が創れるのではないか? こうして『ALL THAT ZZJA/ALL THAT ZZKA』がスタートしました。「私の描く音楽」それはやがて、音楽監督兼アレンジャーの北島直樹(ピアノ)、アレンジャー荒山諒(ドラム)、バンドのグルーヴを支える仲石裕介(ベース)、この3人の音楽家と演出家菅野こうめい氏との出会いにより「私たちの描く音楽」へと変化していきました。存在感あふれる元トップスター達とのリハーサルでは、いい意味での緊張感とエネルギーが増していくのを感じ、本日こうして皆様にご覧いただけます事を大変嬉しく思っております。どうぞごゆっくりお楽しみください。本日はお越しくださり誠にありがとうございました。

菅野こうめい(構成・演出)
本日は、『ALL THAT ZZJA/ALL THAT ZZKA』にようこそお越し下さいました。
これまで僕は多くの宝塚OGの方々とお仕事をさせていただいて来ましたが、今回ほど「宝塚の伝統と結束力」を感じたことはありませんでした。
100年を超えて創られたであろう「絆」の威力に圧倒されながらのリハーサルの日々でした。それほど今回の出演者ベテランOG(笑)5人、プラスほやほやOG2人は素晴らしい。ホンモノの(笑)男性ダンサー2人も、SHOW に最高のアクセントを加えてくれています。
JAZZと言う音楽は規律と自由が共存して成り立つ音楽です。それは宝塚歌劇ととても似ていると僕は思います。こじつけではなく、JAZZと言う音楽によって、懐かしくて新しい宝塚をクリエイト出来たと自負しています。これも寺井尚子さん、バンドメンバーの皆さんのおかげです。
最高の宝塚 JAZZ コラボ・エンターテインメントをどうぞ、お楽しみください。そして、思い切りSWINGしてください。

真琴つばさ(出演)
本日は、『ALL THAT ZZJA/ALL THAT ZZKA』の公開舞台稽古にお越しくださり、ありがとうございます! タカラヅカ時代から身近にあったJAZZに焦点を当てた公演は、数あるOG公演の中でも今回が初めてです。
「It Don't Mean A Thing」「Fly Me To The Moon」などのJAZZの名曲や、ミュージカル『CHICAGO』からは「ALL THAT JAZZ」などみなさまご存じの楽曲が勢ぞろい!
退団後、それぞれの道を歩んできた私たち5人が、ソロでは個性を競い合いながら、「Route66」では世界で一つだけのハーモニーをお届けしたいと思います。 演奏は、世界的ヴァイオリニストの寺井尚子さんを中心としたカルテットの皆さま。その演奏力の素晴らしさに日々刺激されています。中でも『ベルサイユのばら』の「愛あればこそ」は、必聴です!
若手OGや男性ダンサーのエネルギッシュなパフォーマンスとともに“JAZZの楽しさ”をお客様に! 私たちショーアップの天才(!?)とジャズ演奏のスペシャリストたちとの夢のコラボ、どうぞお楽しみください!! 最後になりましたが...今年は、宝塚少女歌劇オーケストラの一員でいらした井田一郎さんが、日本初のJAZZバンドを結成されて100年。そして宝塚歌劇の創設者、小林一三先生の生誕150周年でもあります。この記念すべき年に、OGとしてJAZZの世界に携われることに、心から感謝しています。

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ZUKA IN JAZZ/SONG & DANCE with NAOKO TERAI Quartet『ALL THAT ZZJA/ALL THAT ZZKA』取材会 

<Information>

ZUKA IN JAZZ/SONG & DANCE with NAOKO TERAI Quartet

『ALL THAT ZZJA/ALL THAT ZZKA』

出演:真琴つばさ、姿月あさと、湖月わたる、風花舞、彩乃かなみ 天寿光希、晴音アキ、加賀谷真聡、高橋伊久磨
企画・原案:寺井尚子
構成・演出:菅野こうめい

会場・日程:
【東京】日本青年館ホール 2023/9/22(金) ~ 2023/9/24(日)
【大阪】梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ 2023/9/29(金) 〜2023/10/1(日)

チケット料金:【東京】S席 11,500円、A席 7,000円【大阪】全席 11,500円
企画・制作・主催:タカラヅカ・ライブ・ネクスト / 梅田芸術劇場

公式HP:
https://www.takarazuka-live-next.co.jp/stage/2023/zzjazzka/
公式SNS:Twitter @Takarazuka_LN / Instagram @takarazuka_live_next

問合せ:【東京】梅田芸術劇場 TEL.0570-077-039(10:00~18:00)【大阪】梅田芸術劇場 TEL.06-6377-3888(10:00~18:00)

 
 

text by 鈴木陽子(Yoko Suzuki)
CS放送舞台専門局、YSL BEAUTY、カルチャー系雑誌ラグジュアリーメディアのマネージングエディターを経て、エンタテインメント・ザファースト代表・STARRing MAGAZINE 編集長。25ヶ国70都市以上を取材、アーティスト100人以上にインタビュー。

 
 

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