ロンドンコメディ『Run For Your Wife』上演中! 公演写真&フォトセッション レポート

カメラマン:山副圭吾
(C) 2023.ロンドンコメディ Run For Your Wife

俳優・山本一慶が主演のジョン役を演じて、ジョンの2人の妻役を元宝塚歌劇団同期の舞羽美海と十碧れいやが演じる、ロンドンコメディ『Run For Your Wife』が7月12日より開幕し、上演中。初日に先駆けて行われたゲネプロ公演とフォトセッションの公式写真が届いた。

『Run For Your Wife』は、イギリスの人気劇作家レイ・クーニー原作、ウソにウソを重ねる抱腹絶倒の大騒動を描く人気作。本作は2019年にスタートした俳優・山本一慶が主演/ジョン役を演じるシリーズで、山本は今回演出にも挑戦。ジョンの2人の妻役を、元宝塚歌劇団同期の舞羽美海と十碧れいやが演じる。

まさに抱腹絶倒のコメディ! これまで、こんな「舞羽美海×十碧れいや」見たことがない、といったステージ。2人ともコメディを大真面目に演じ、1人の男を巡って、セクシーで強烈にエキセントリックな見せ場も多々あり、新たな魅力で観客を惹きつける。主演の山本一慶を中心に、演技派のキャスト陣が次々と予想もつかない展開とキャラクターで、見事に巧妙で緻密に計算された台詞劇を繰り広げる。

始まりは1本の電話。なぜか2人の妻が、1人の夫のアクシデントで、同時に電話を受ける。同じ舞台上をストレタムのルウィン・ロード、ウインブルドンのケニルワース・アヴェニューにある2つの邸宅にし、動きも台詞も電話の受け答えも見事にシンクロしながら話が穏やかに進む。しかし、夫である平凡なタクシー運転手のジョンは、人には言えない秘密があり、優柔不断な性格で二重結婚をしていることから、次々と綻びが出てくる。そこに、カラフルで個性豊かな登場人物たちが次々と現れる。

それぞれ別の街に住む、2人の警部が邸宅を訪れる。トラウトン警部役を松井勇歩がしっかりしたシリアスな演技で担い、観客が事情を知るにつれ、じわじわとその真面目さが面白く効いてくる。さらに、カン違いをするポーターハウス警部役に芸人のピクニックが挑み、現場を大いに混乱させ、観客を笑いの渦に巻き込む。

ジョンのウソに巻き込まれる上の階の住人スタンリー役を華のある魅力で石田隼が演じ、シチュエーションコメディにぴったりの演技を見せてカンパニーを引っ掻き回す。そして、引っ越してきたフリーのドレスデザイナー・ボビー役を、小澤亮太が明るく女言葉を使いながらコミカルに演じ、話のスパイスとなって、問題を大きくする。

何がどうなっているかわからない2人の妻は、キャラクターの設定はそれぞれ違う。家を守り家庭的で細やかな気遣いのメアリーを舞羽美海が演じ、キャリアを持ち会社で働いて家では夫を誘惑して楽しもうとするバーバラを十碧れいやが演じる。夫を信じるところの本質は似ているようなピュアな2人が、だんだんストレスを抱えて壊れていき、ヒステリックになるのもコメディ演技の見どころ。また、同時のタイミングで発するからこそ面白い、電話の台詞や演技の仕掛けも、さすが息が合っている。

そこに、板挟みになる主役のジョン。濃いキャラクターたちが作り上げる状況に流されながらも、必死に秘密を守ろうとする姿を、演出・主演の山本一慶が計算された芝居で、カンパニー全員を緩急自在に受け止める。ウソにウソを重ねているはずなのに、つじつまが合うようで、また合わず…最後はどうなるのか、観てのお楽しみ!

 

7月11日  舞台上にてフォトセッション

(写真左から)小澤亮太(ボビー・フランクリン)、ピクニック(ポーターハウス警部)、十碧れいや(バーバラ・スミス)、山本一慶(ジョン・スミス)、舞羽美海(メアリー・スミス)、松井勇歩(トラウトン警部)、石田隼(スタンリー・ガードナー)

十碧れいや、山本一慶、舞羽美海

<キャストコメント>

メアリー・スミス役/舞羽美海

「(コロナ禍で中止になり)3回目の挑戦、やっとこの場に立てるのが本当に嬉しくて、お客様にお届けできるのが幸せです。お客様参加型でぜひ楽しんでいただけたら!」

バーバラ・スミス役/十碧れいや
「私は3回の延期で、今回4回目の正直です。やっと初日を迎えられることがすごく嬉しいです! ジョン(主演の山本一慶さん)は、出てくるたびにどんどん汗が増して(笑)。キラキラの汗! ずっと舞台に出て、全身で表現をされています」

<公演に向けてのメッセージ>

演出、ジョン・スミス役/山本一慶
「お互いがお互いを支えて、最後まで駆け抜けるスピードを落とさないよう、信頼関係がコメディーには大事だと改めて思わされています。笑顔になって帰れる作品なので、只々笑いに、ぜひ劇場に足を運んでいただければと思います!」

*抜粋要約


本作は、宝塚歌劇団の芝居巧者で上演されたコメディ『パパ・アイ・ラブ・ユー』と同じ劇作家レイ・クーニーの原作。個性豊かなキャスト、そして新聞記者を演じる日替わりゲストと共に、巧妙な展開と上質な笑いを届ける。

ストレートプレイの傑作を、原作の魅力そのままに、このカンパニーで日本語上演する機会を、ぜひお見逃しなく!

 

<Information>

ロンドンコメディ『Run For Your Wife』

期間:2023年7月12日(水)〜 7月19日(水)
劇場:あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)
料金:7,700円(全席指定) 発売中

公式サイト
https://artistjapan.co.jp/runforyourwife2023/

作:レイ・クーニー
訳:小田島雄志/小田島恒志
監修:菅原道則
演出:山本一慶

出演:
山本一慶(ジョン・スミス)、舞羽美海(メアリー・スミス)、十碧れいや(バーバラ・スミス)
松井勇歩(トラウトン警部)、ピクニック(ポーターハウス警部)、石田隼(スタンリー・ガードナー)、小澤亮太(ボビー・フランクリン)

<新聞記者役・日替り出演>
12(水)14:00 KIMERU、12(水) 18:30谷水力、13(木)18:30安井一真、14(金)18:30松田岳、15(土)12:00鯨井康介、15(土)16:30鈴木裕樹、16(日)12:00髙木俊、16(日)16:30松村泰一郎、17(月)12:00橋本真一、18(火)14:00竹中凌平、18(火)18:30りゅうと、19(水)14:00宇野結也

企画・製作:アーティストジャパン

 

text by 鈴木陽子(Yoko Suzuki)
CS放送舞台専門局、YSL BEAUTY、カルチャー系雑誌ラグジュアリーメディアのマネージングエディターを経て、エンタテインメント・ザファースト代表・STARRing MAGAZINE 編集長。25ヶ国70都市以上を取材、アーティスト100人以上にインタビュー。

 

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