朝夏まなとがスーツ姿で会社員に! 舞台『SHINE SHOW! シャイン・ショウ!』最大の見どころは中川晃教らと演じる真剣なコメディ芝居!

『SHINE SHOW! シャイン・ショウ!』は、歌唱力を競う夏のカラオケ大会に参加し様々な想いを抱える“サラリーマン出場者”と、その舞台裏で数々のトラブルに見舞われながらもショーマスト ゴーオンの精神で乗り切ろうとする運営スタッフの物語。

宝塚歌劇団宙組トップスターを務めて退団後、ミュージカルを中心に舞台主演を重ね、本年はミュージカル『SPY×FAMILY』など話題作にも出演した朝夏まなとさん。演技・歌・ダンス全てで客席を魅了する実力派の朝夏さんが、この夏、芝居中心の傑作コメディに挑む!

朝夏さんが演じるのは、自身が“敏腕バリキャリウーマン”とイメージする、キビキビとした出来る会社員の「鈴本真紀」役。役柄の参考にしたモデルの実話、初共演となる俳優の中川晃教さん、宝塚歌劇団出身の花乃まりあさんはじめ魅力的な共演者のお話、稽古場の様子など、たっぷりインタビューした。


朝夏さんが演じる「鈴本真紀」役は、イベントを裏方で務める、仕事の出来る会社員。ずばり、見どころは?

私が日本人OLを演じるというギャップを、ぜひ観にいらしてください(笑)。役柄は、“敏腕バリキャリウーマン”。バリバリのキャリアウーマン、ですよね。どこかに書いてあって言葉を知りました(笑)。

最大の見どころは、お芝居です。この夏、コメディ芝居にかけています! 作品のオファーを受けたときは、芝居をやりたいと思っていたタイミングだったので、嬉しかったですね。

役柄について、脚本を最初に読んだイメージを教えてください。

物事がうまくいっていない時の改善策の出し方が凄い、と思いました。まるで、探偵か刑事のような解決方法なので(笑)、頭の切れる人という印象でした。しかも冷静に対処していき、仕事が本当に出来る人だと感じました。

部下の加瀬くん(小越勇輝)に、「実は、本当は…」と素の部分を出すあたりから、この役のオフィシャルな仕事面のほかに、パーソナルな内面の思いといった両方が見えてくるのかな、と思います。

朝夏さんが想像する、オフィスとは?

ドラマで見る世界ですね。オフィス内を見る機会はなかなか無いので、オフィスで働くというとドラマのイメージがあります。


稽古場の様子

お稽古に入って約1週間(*7月末の取材時)。実際に演じた感触は、いかがですか。

芝居が、同時進行だと思いました。脚本を読んでいる時は、1人1人に対応しているのかと思っていましたが、1人に対応して解決しないまま次の場面に繋がっていき、また誰かが問題を起こすという(笑)。

物凄く、忙しい役ですね。同時に5〜6人を相手にしている感じで、実際の時間の流れでこの状況を体験した時にどうしてこの解決策を思いつくんだろう、というのが感想でした(笑)。

カラオケ大会の場を振り回す周囲の人々をどんどん機転を利かせて捌(さば)いていく、そこがとても難しくもあり、逆に面白くて、私がこの役を表現することに繋がるのだと思います。


実在にいる人がモデル!?


仕事が出来る「鈴本真紀」さん。どなたか役のイメージとなったモデルはいますか?

普段はオフィスで働いているけど、作品はカラオケ大会のイベントという特別な1日の話です。私は、通常は舞台に出演する側の人間ですが、舞台スタッフの方は同じような役割をしていると考えました。

ちょうど前回、出演していたミュージカル『SPY×FAMILY』に女性のスタッフの方がいて、敏腕で指示も的確、舞台稽古でこの先どうする、となった時に「皆さん、こうしましょう」という感じでスパスパッと仕切りながら進行する方がいらっしゃいました。

「もしやこれは…(参考になる!?)」と、その方の観察を始めました(笑)。インカムをつけた姿も役のイメージに繋がり、普段、自分がお世話になっているバックステージの方々を想像して今回の参考にしました。


真剣に笑いを演じる、シチュエーションコメディ!


シチュエーションコメディを演じる、稽古場の雰囲気は?

本気の笑いです(笑)。皆さん、笑いに本気でぶつかっていらっしゃいます。脚本を本気で演じているから、こんなに面白いんだ、という稽古場になっています。

今回は初めての共演者の方々、しかもお芝居を活躍の場にされている方が多くて、ミュージカルのカンパニーに慣れ親しんでいる私にとっては、新たな刺激となる現場です。皆さんがどのように芝居に向き合われているかも知りたく、稽古が始まる前から楽しみでした。

常に、笑い声が絶えない稽古場です。毎回、新しい演技の表現を皆さんがされるので、「こうきたか!!」と思うこともありますし、百発百中、面白いこともあります(笑)。客観的に観てこんなに笑いが起きるのは、それだけ脚本が面白いということだと思います。

今はお稽古中なので、実験してみよう、考えてきたことを試そうという段階です。こう来たら、こう返そう、というのがまだ固まってない状態を芝居が百戦錬磨の方々と演じるのは、とても楽しいです。

私が演じる「鈴本」はツッコミ役なので、大いにツッコんでいこうと思っています(笑)。どのようにお客様に伝わるか、体当たりで演じて、何が面白いかな、と考えるのも楽しい時間です。例えば、間の取り方を変えるなど、色々な表現を試している最中です。


個性豊かな役を演じる出演者たち! 中川晃教さんは、舞台作品で初めての共演


中川晃教さんとは、待望の初共演ですね。『ジャージー・ ボーイズ』など、ミュージカル界でも歌唱力の凄さで知られる中川さんが、出場者の1人である「和歌山翔」役を演じてドラマを巻き起こします。稽古場の姿はいかがでしょう?

アッキー(中川晃教)さんは、本当に飛び道具的に面白いことをされるんです(笑)。アッキーさんは、いたって真面目なんですよ。ずるいな、面白すぎて(笑)と思っています。

私自身の印象も、ミュージカルや舞台で、アッキーさんが堂々として朗々と歌われているイメージが強いのですが、今回のメインはお芝居です。ネタバレが多いので話せないのですが、日本人の会社員として歌謡曲も歌い、こんなアッキーさん見たことないという感じです(笑)。

元宝塚歌劇団トップ娘役の花乃まりあさんは、アイドルグループ出身の会社員、「琴浦あかね」役を演じます。アイドル扱いされず、自己顕示欲が爆発するこちらも個性的な役。芝居で組むのは初めてですか?

宝塚歌劇団の宙組で短い期間でしたが一緒の時期があって、本役と新人公演で同じ役を演じるなど接点はありましたが、面と向かって組んでお芝居をするのは今回が初めてです。はっちゃけてますよ(笑)。舞台を引っ掻き回してくれる感じが、すごくイイ感じです。

地方から赴任してきたばかりの若手社員で、カラオケ大会運営スタッフは初めてという、「加瀬貴久」役を演じる小越勇輝(おごえ・ゆうき)さんは、芝居の絡みが多いですよね。

とても頼もしいです! 加瀬は初めてこの裏方の担当に携わり、とぼけた天然な感じなのですが、小越さんは演技がしっかりしていらっしゃって、ツッコミやすいです(笑)。

呼吸が合っている、と私は勝手ながら思っているのですが(笑)、真っ正直な部分を思いきりぶつけてくれるので、こちらも思いきり向かっていくことができ、やりやすいですね。数多くの舞台やドラマなどを経験し、様々な分野で対応されてきた強みをお持ちなのだと思います。


耳に残る、劇中の音楽!


日本の歌謡曲は、お好きですか?

学生時代の曲を聴くと、当時を思い出しますね。SPEEDや安室ちゃん、ミスチル、スピッツ…。今回は、スピッツの曲も登場しますし、皆さんもご存じの有名曲が多いと思います! お稽古の後も曲が耳に残ってしまって、困っています(笑)。(レミオロメンの曲)「粉雪〜♪」と、皆んなで口ずさんで帰っています。

自分も含めて、どなたが何の曲を歌うかは、ネタバレでまだ言えないですね(笑)。30代以上の世代は特にささる曲だし、いまは昔の曲も流行っている時代なので全世代の方が「知ってる!」となって、音楽も楽しめると思います。


人生で輝く瞬間


タイトルにかけて、朝夏さんご自身が人生で輝く(SHINE)瞬間は?

いつも沢山輝かせていただいているなと思います、皆さんに(一同笑)。自分の力だけでは成り立ちません。歌劇団に入った時から、何かを表現するということが仕事になっている環境に感謝しています。

千秋楽はひとつの区切りで、自分も含めて皆んな、よくここまで頑張った、輝いている、と強く感じる瞬間かもしれません。「よかったね〜!(拍手のように手を叩く)」と、キラキラした達成感に満ちている気がします。公演を観にきて頂いたお客様も含めて、です。

あの空間が「輝いている」と思えるのは、コロナ禍を経て当たり前だったことが普通に迎えられなくなった状況だからこそ、より感じるのだと思います。

作品のテーマに繋がる、達成感に似ていますか?

舞台に出演する側も、裏方として働くどちらも、成功のために同じ位にどれだけ生命をかけるほどなのか、というあたりは共通すると思います。普段は、バックステージは日の目を見ないけれど、全員が一緒になって喜んでくれるその瞬間が私は愛おしいと思います。


何かに打ち込む人は、主役になれる

ご自身が思う、この作品が伝えたいメッセージとは?

何かに打ち込む人は、絶対に主役になれます。

前向きになれる、素敵な言葉ですね。

何でもいいんです。別に人に認められることが全てではなく、自分が達成した、やりきったと思ったらそれがその人の輝く瞬間なのだと思います。そこに至るまでの困難も、勲章にきっと変わります。


この夏は劇場に笑いに!

エンタテインメントに活気が戻ってきたこの頃、夏の笑いにピッタリですね!

(最近の状況は)嬉しいです。改めて、(エンタテインメントは)無くては困るものだと自分自身も思いましたし、皆さんもそのように感じて下さったのではと思います。

この夏、私はコメディ芝居に全てをかけて、向き合っています。騙されたと思って(笑)、観にいらして笑ってください。本当に面白いですよ!


誰もが耳にしたことのある数々のナンバーが、舞台を彩る作品。働く人々のドラマと、最後に迎える華やかな舞台とバックステージのドラマとを交錯させながら、感動のハイライトはぜひ劇場で!

 

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取材中のエピソード! 編集後記はこちら

<Information>

『SHINE SHOW! シャイン・ショウ!』

期間:2023年8月18日(金)〜 9月4日(月)
会場:日比谷・シアタークリエ (東宝ナビザーブ 03-3201-7777)
料金:11,000円 発売中

公式サイト
https://www.tohostage.com/shine_show/

作:冨坂 友(アガリスクエンターテイメント)
演出:山田和也

出演:朝夏まなと、小越勇輝、花乃まりあ、木内健人、石坂 勇、増本 尚、柳 美稀、栗原沙也加、西村直人、久ヶ沢徹 / 中川晃教

 

ヘアメイク:根津しずえ
スタイリング:加藤万紀子

photo by 山崎あゆみ(Ayumi Yamazaki)http://ayumiyamazaki.com/
東京を拠点に建築、旅、人物と幅広いジャンルを撮影。

text by 鈴木陽子(Yoko Suzuki)
CS放送舞台専門局、YSL BEAUTY、カルチャー系雑誌ラグジュアリーメディアのマネージングエディターを経て、エンタテインメント・ザファースト代表・STARRing MAGAZINE 編集長。25ヶ国70都市以上を取材、アーティスト100人以上にインタビュー。

 
 
 

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